明日の株式相場に向けて=「ラッセル2000」上昇の意味するもの
28日の東京株式市場で日経平均株価は、前日比141円安と5日ぶりに反落した。前日のNYダウは111ドル高と続伸し最高値を更新。ナスダック指数も22年1月以来の高値に買われた。米株高を追い風に東京市場の上昇が期待されたが、水を差したのは今回もやはり為替の円高だった。米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利下げ観測は、米株高とともに米長期金利低下を呼び、同時にドル安・円高をもたらしている。
ただ、きょうの東京市場は12月末の配当権利落ち日で、日経平均株価は50円ほど押し下げられている。明日は大納会となるが、7月3日高値(3万3753円)にどこまで迫ることができるかがポイントとなりそうだ。
東京市場が高値圏で伸び悩むのに対して、強調展開を続ける米国市場のなかでも高い関心を集めているのが「ラッセル2000」指数だ。中小型株で構成される同指数は、12月に入り約14%の上昇を演じている。NYダウやS&P500種指数の4%強の上昇を大きくアウトパフォームしている格好だ。米早期利下げと経済のソフトランディングという「ゴルディロックス(適温経済)」への期待が高まるなか、出遅れていた中小型株への物色が高まっているようだ。
このラッセル2000の上昇は、日本の中小型株の見直しにつながらないのだろうか。日本と米国の中小型株市場には相違点も少なくなさそうだが、金利低下でグロース株物色が本格化すれば、中小型株に目を向ける動きは強まるかもしれない。
直近IPOのQPS研究所<5595>や雨風太陽<5616>、それにウェルスナビ<7342>やGENDA<9166>、テックポイント・インク<6697>などの動向にも注目したい。今晩は、米国で新規失業保険申請件数や11月住宅販売保留指数などの発表が予定されている。