伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 1月8日版
1. 日経平均は天井型を形成中なら、1~4月の期間で大きく下げる公算
日経平均株価は年間の下げ幅が大きくなる場合、1月から4月の期間内にいったん大きく下げて、その後、一時的な反発を経過し(展開次第で1月の高値を超える動き)、再度下げの流れへ入る展開となっています。
下げ幅が大きくなる年は1月以降に年間の最高値をつけていても、1月の高値が意識される動き方になっています。
図1は、1990年以降で日経平均株価の年足が陰線引けした年の値動きです。
左から順番に「年間の4本値」、「年間の変動幅(高値-安値)」、「1月の最高値(2011年だけ2月)」、「1月から4月までの期間中の最安値」、「1月から4月までの期間の下げ幅の最大値(以下、A)」、「年間の変動幅に対するAの割合」になります。
年足が陰線で1月から4月までの期間で比較的下げ幅の大きな動きが表れている場合、(2011年以外)1月に上値を抑えられて、1月から下げ幅の伴った動きがスタートしています。
年間の下げ幅が4000円幅以上になっている年を見ると、1月から4月の下げ幅が2000円幅以上になっていて、その下げ幅が全体の下げ幅に対して40~60%の割合となっています。
図の数値だけだとわかりにくいのですが、1月から4月の期間が堅調に推移した年や、1月から4月に比較的大きく下げていても2000円幅に届いていないような年は、年間の変動幅が4000円幅に届いていない年が目立ちます。
図1 日経平均株価の陰線引け年の動き方
図2は、日経平均株価の日足です。今後、昨年10月の安値3万0487円を割ると、2023年6月と11月の高値で作るダブル・トップを完成します。
本年の日経平均株価が4000円幅以上の下げ場面になるとするなら、その下げはダブル・トップを完成して、天井型を完成した後の下値目標値を目指すことで表れる動きです。
そのような展開になるには、1月中に上値を抑えられた後、下降を開始して、1月から4月の期間で10月4日の安値3万0487円まで下げると考えられます。
今後の価格が下げても、4月までの期間で3万2000円程度で下値を支えられるなら、本年は4月または6月の時期にいったん上値を試す動きを経過して、年の後半に下げても、3万0487円を目指す動きで終わる展開になる可能性が出てきます。
図2 日経平均株価日足と今年前半のシナリオ