株価指数先物【寄り前】 過熱感からのショート戦略は避ける必要

市況
2024年1月11日 8時22分

大阪3月限ナイトセッション

日経225先物 34860 +410 (+1.19%)

TOPIX先物 2477.5 +30.5 (+1.24%)

シカゴ日経平均先物 34865 +415

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

10日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。マイクロソフト<MSFT>やセールスフォース<CRM>などハイテク株が相場を牽引する流れとなった。また、週後半から本格化する企業決算への期待に加え、翌日に発表される米消費者物価指数(CPI)は一段のインフレ鈍化を示すとの見方も買いを後押しした。エヌビディア<NVDA>は連日で最高値を更新し、ナスダック指数は4日続伸。S&P500業種別指数は小売、ソフトウエア・サービス、メディアが上昇した一方で、エネルギー、食品・飲料・タバコ、自動車・同部品が下落。

シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比415円高の3万4865円だった。日経225先物(3月限)は日中比30円高の3万4480円で始まり、直後に付けた3万4460円を安値にロング優勢の展開が続き、米国市場の取引開始後は3万4710円~3万4810円辺りで保ち合いを継続。終盤にかけてレンジを上放れ、3万4860円とナイトセッションの高値で取引を終えた。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い先行のスタートになろう。日経225先物はナイトセッションでも強い基調を続け、ボリンジャーバンドの+3σ水準(3万4890円)での推移となった。週足も+2σ(3万4870円)を捉え、さすがに過熱感が警戒されやすい。ただし、急ピッチの上昇によってレンジが切り上がるなか、ヘッジ対応のショートカバーが断続的に入りやすく、過熱感からのショートは避ける必要があるだろう。

上向きで推移するバンドに沿った上昇が意識され、押し目狙いのロングスタンスに向かわせよう。また、SOX指数が小幅に下落し、半導体株の一角には利益確定の売りが入りそうだが、エヌビディアは連日で最高値を更新しており、ショートは仕掛けにくい。そのほか、中国で取引されている日本のETFの取引が膨らんでおり、NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信 <1321> [東証E]に投資するチャイナAMC野村日経225ETFは足もとで商いが急増している。チャイナマネーの流入も、上へのバイアスを強めそうだ。

+3σを挟んだ攻防も意識されやすく、オプション権利行使価格の3万4625円から3万5000円のレンジを想定する。週足のボリンジャーバンドの+3σは3万5900円に位置しており、過熱感を警戒しつつも節目の3万5000円は通過点になるといった見方に向かわせよう。

VIX指数は12.69(前日は12.76)に低下した。小幅な下げだったが、12.87辺りで推移している25日移動平均線に上値を抑えられる形状だった。CPIの結果や決算が期待通りとなれば、リスク選好が強まる可能性がある。

なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.07倍に上昇した。一時14.10倍まで切り上がり、25日、200日線を突破する場面も見られた。SOX指数の下落を受けて、いったんは利益確定からNTロングを巻き戻す動きもあろうが、昨年12月半ばに付けた14.34倍や6月高値の14.69倍が意識されてくることで、NTロングに振れやすい需給状況であろう。

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