NY株式:NYダウは15ドル高、インフレ改善ペース減速も根強い利下げ期待が支える
米国株式市場は小幅続伸。ダウ平均は15.29ドルの37,711.02ドル、ナスダックは0.53ポイント高の14,970.18で取引を終了した。
原油高に連れたエネルギーセクターの上昇がけん引し、寄り付き後、上昇。しかし、12月消費者物価指数が予想を上回ったため早期利下げ観測が後退し、長期金利上昇を警戒し相場は大きく下落した。終日軟調に推移したが、終盤にかけて30年債入札の良好な結果や中東地政学的リスク上昇を受け長期金利が低下に転じると相場は下げを消し、小幅高で終了。セクター別では、ソフトウエア・サービスが上昇した一方で、電気通信サービスが下落した。
動画配信のネットフリックス(NFLX)は世界の広告付きサービスの月間アクティブユーザー数が引き続き増加していることが好感され、上昇。また、電子署名のドキュサイン(DOCU)は投資会社による買収観測に上昇した。資産運用会社のブラックロック(BLK)は証券取引委員会(SEC)が10日に、暗号資産で時価総額最大のビットコインの現物ETFを承認すると発表し、上昇。一方、航空機メーカーのボーイング(BA)は737マックス-9型機の事故を受け、同社が航空機が安全に運航できる状態にあるかの安全確認を怠ったかどうかを連邦航空局(FAA)が正式調査することが明らかになり、売られた。
メディアのワーナー・ブラザーズ・ディスカバリー(WBD)やパラマウント・グローバル(PARA)は広告収入減を見込みアナリストが投資判断を引き下げ、それぞれ下落。電気自動車(EV)メーカーのテスラ(TSLA)は紅海での混乱が供給に影響したため、ドイツ、ベルリンの一部の工場での生産を一時中断すると発表し、売られた。レンタカー会社のハーツ(HTZ)はテスラを含むEV2万台を売却、ガソリン車に回帰する計画を発表し、下落。
リッチモンド連銀のバーキン総裁は物価上昇率目標に向け軌道にのったら、利下げも可能になると、述べた。
(Horiko Capital Management LLC)
《ST》