17日の米国市場ダイジェスト:NYダウは94ドル安、早期利下げ観測が一段と後退
■NY株式:NYダウは94ドル安、早期利下げ観測が一段と後退
米国株式市場は続落。ダウ平均は94.45ドル安の37,266.67ドル、ナスダックは88.73ポイント安の14,855.62で取引を終了した。
小売売上高や住宅関連指標が予想を上回ったため、早期利下げ観測が大きく後退し寄り付き後、下落。その後も長期金利の上昇に連れ、下げ幅を拡大し、終日相場は軟調に推移した。終盤にかけて連邦準備制度理事会(FRB)が発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)の結果がタカ派的な内容とならず金利も下げ止まると、下げ幅を縮小し、終了。セクター別では、自動車・自動車部品や不動産の下落が目立った。
金融のモルガンスタンレー(MS)はアナリストの投資判断引き下げで下落。金融サービス会社のチャールズ・シュワブ(SCHW)は第4四半期決算で利益、新規資産、預金が減少、純収益が予想を下回り、さらに、最高経営責任者(CEO)が2000年のインターネットバブル崩壊以来の厳しい年だったと語ったため失望感から、下落した。また、産業用不動産の保有、開発会社のプロロジス(PLD)は四半期決算の内容や24年の見通しが予想を下回り、下落。携帯端末のアップル(AAPL)は高裁がアップルウォッチの血中酸素濃度の計測機能の除外を命じたため下落した。
クレジットカード会社のディスカバー(DFS)は、取引終了後に第4四半期決算を発表。1株利益が予想を下回り、時間外取引で売られている。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:ドル強含み、良好な米経済指標を受けて早期利下げ観測は一段と後退
17日のニューヨーク外為市場でドル・円は147円69銭から148円52 銭まで上昇し、148円19銭で引けた。米12月小売売上高や1月NAHB住宅市場指数が予想を上回る伸びとなったため、3月の利下げ観測が大幅に後退。金利上昇に伴いドル買いが加速した。米地区連銀経済報告(ベージュブック)で雇用や物価の伸びが鎮静化したことが明らかになり、ドル買いが一段落した。
ユーロ・ドルは1.0845ドルへ下落し、1.0883ドルまで上昇し、1.0882ドルで引けた。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が市場の過剰な利下げ観測を払拭する発言を受けユーロが底堅く推移。ユーロ・円は160円56銭から161円30銭まで上昇。ポンド・ドルは1.2639ドルへ弱含んだのち、1.2686ドルまで上昇した。英国の12月消費者物価指数(CPI)の伸びが予想以上に拡大し、英中銀の利下げ観測が後退しポンドが底堅く推移。ドル・スイスは0.8640フランから0.8685フランまで上昇した。
■NY原油:伸び悩みで72.48ドル、時間外取引で72.77ドルまで上昇
NY原油先物3月限は伸び悩み(NYMEX原油3月限終値:72.48 ↓0.04)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は、前営業日比-0.04ドルの72.48ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは70.62ドル-72.77ドル。ドル高などを嫌気して米国市場の前半にかけて70.62ドルまで売られた。しかしながら、供給不安は消えていないため、米国市場の後半にかけて買いが強まり、通常取引終了後の時間外取引で72.77ドルまで上昇。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 31.80ドル -0.32ドル(-0.99%)
モルガン・スタンレー(MS) 84.41ドル -1.56ドル(-1.81%)
ゴールドマン・サックス(GS)377.18ドル -3.27ドル(-0.85%)
インテル(INTC) 46.06ドル -1.00ドル(-2.12%)
アップル(AAPL) 182.68ドル -0.95ドル(-0.51%)
アルファベット(GOOG) 142.89ドル -1.19ドル(-0.82%)
メタ(META) 368.37ドル +0.91ドル(+0.24%)
キャタピラー(CAT) 278.63ドル -8.60ドル(-2.99%)
アルコア(AA) 27.18ドル -0.69ドル(-2.47%)
ウォルマート(WMT) 161.07ドル -0.76ドル(-0.46%)
《ST》