ダウ平均は小幅安 IT・ハイテク株に買い戻しが強まる=米国株序盤
NY株式18日(NY時間11:17)(日本時間01:17)
ダウ平均 37256.29(-10.38 -0.03%)
ナスダック 15021.71(+166.09 +1.12%)
CME日経平均先物 35895(大証終比:+305 +0.85%)
きょうのNY株式市場でダウ平均は小幅安で推移している。取引開始前に発表になった米新規失業保険申請件数が米労働市場の底堅さを示したことから、ダウ平均は下落して始まった。ただ、下げが一巡すると前日付近まで戻す展開。
半導体関連を中心にIT・ハイテク株に買い戻しが強まっていることが下値をサポートしている。台湾のTSMCとエヌビディア<NVDA>が今四半期は底堅い成長を予想していると述べたことが材料視されている模様。
また、今週に入って下げが続いていたアップル<AAPL>が反発していることもサポートしているようだ。アナリストが同社の投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価も前日終値よりも23%高い225ドルに引き上げた。
市場はFRBの利下げ期待を後退させ、米株式市場の利益確定売りを誘発している。前日の短期金融市場では3月までの利上げ開始の確率を50%近くまで低下させていた。しかし、本日は57%付近まで戻している状況。そのような中で、米株式市場は高値警戒感を高めてはいるものの、下押しを強める気配までは出ていない。
ただ、市場の警戒感は根強い。「第4四半期を見ると、パフォーマンスの多くは追撃、追撃、追撃だった。ただ、いま人々は本当にこの水準で所有して良いのだろうか。金利が上昇に転じれば、弱気の売りが殺到することになると迷い始めている」との声が出ている。
一方、楽観的な見方も少なくないようだ。「今年中に利下げが実施されるため、株式市場の中期的な見通しは依然としてポジティブ。利下げが始まれば、投資家は現金保有を減らしてリスク資産に戻るだろうから、利下げのタイミングはあまり関係ない」といった声も聞かれる。
ヘルスケアのヒューマナ<HUM>が大幅安。取引開始前にガイダンスの修正を公表し、第4四半期の医療費が予想を上回ったとして、23年度の通期1株利益を下方修正した。1株利益は26.09ドルを見込み、従来の28.25ドル以上から下方修正している。同社はまた、現在の傾向が続けば、24年度の見通しにも影響が出ると述べた。
ボーイング<BA>が続伸しておりダウ平均をサポート。インドの新興航空会社であるアカサ航空から150機のMAXジェット機の受注を獲得した。約2週間前にアラスカ航空の機体の一部が吹き飛ばされて以来、同社にとっては朗報となっている。
米住宅建設のMDC<MDC>が大幅高。積水ハウスが買収することで合意した。すべて現金での買収で1株63ドルでの買収となる。前日終値よりも19%高い水準。
燃料電池のプラグ・パワー<PLUG>が大幅続落。最大10億ドルのアット・ザ・マーケット(ATM)オファリング方式での増資計画を発表した。この方式は幹事証券が市場で直接、段階的かつ適宜に新株を売却する方式。
クレジットカードなど決済サービスを手掛けるディスカバー・ファイナンシャル<DFS>が下落。前日引け後に10-12月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益が予想を大きく下回った。コンプライアンスとリスク管理コストが影響し62%の減益となった。
ディスカバーF<DFS> 99.92(-8.83 -8.12%)
ヒューマナ<HUM> 395.90(-51.86 -11.58%)
MDC<MDC> 62.81(+9.72 +18.31%)
ボーイング<BA> 209.13(+6.07 +2.99%)
プラグ・パワー<PLUG> 2.34(-0.40 -14.63%)
アップル<AAPL> 188.44(+5.76 +3.15%)
マイクロソフト<MSFT> 392.55(+3.08 +0.79%)
アマゾン<AMZN> 153.43(+1.72 +1.14%)
アルファベットC<GOOG> 144.94(+2.05 +1.43%)
テスラ<TSLA> 211.65(-3.91 -1.81%)
メタ・プラットフォームズ<META> 375.37(+7.00 +1.90%)
AMD<AMD> 163.58(+3.41 +2.13%)
エヌビディア<NVDA> 573.71(+13.18 +2.35%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美