為替週間見通し:ドルは底堅い値動きか、日銀緩和堅持で円売り継続も
【今週の概況】
■米早期利下げ観測後退でドル買い強まる
今週のドル・円は堅調推移。個人消費、雇用関連、消費者信頼感などの経済指標は市場予想を上回っており、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを開始するのは5月以降になるとの見方が広がったことがドル上昇につながった。日本銀行は今月開催の金融政策決定会合でマイナス金利政策の維持を決定するとの市場観測もドル買い材料となったようだ。ドル・円は週初に145円を下回ったものの、米長期金利の上昇を受けてじり高となり、週末前に148円台後半までドル高・円安が進行した。
19日のニューヨーク外為市場でドル・円は147円96銭から148円53銭まで反発。この日発表された米国の1月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が市場予想を大幅に上回ったことから、米長期金利は上昇し、リスク選好的なドル買いが観測された。ただ、同1年期待インフレ率速報値は市場予想を下回り、12月中古住宅販売件数は減少したことから、リスク選好的なドル買い・円売りは縮小。148円10銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:144円88銭-148円80銭。
【来週の見通し】
■ドルは底堅い値動きか、日銀緩和堅持で円売り継続も
来週のドル・円は底堅い値動きか。来週発表予定の米経済指標は低調な内容が予想されている。10-12月期国内総生産(GDP)速報値は7-9月期の実績を下回る見込み。米国経済の減速が顕著になった場合、利下げ時期前倒しへの思惑が広がり、長期金利の低下を手がかりにドル売りが強まる可能性がある。ただ、日本銀行は大規模金融緩和を堅持する方針であり、マイナス金利の解消など本格的な緩和修正は来年度以降とみられ、日米金利差の早期縮小観測は後退した。そのため、リスク選好的なドル買い・円売りがただちに縮小する可能性は低いとみられる。なお、本格化する米企業決算ではハイテク関連が注目されており、好業績で米国株高が持続した場合、リスク選好の円売りが強まることも想定される。
【米・10-12月期国内総生産(GDP)速報値】(25日発表予定)
25日発表の米10-12月期国内総生産(GDP)速報値は前期比年率+1.8%と、7-9月期の+4.9%から大きく減速する見通し。市場予想と一致、または下回った場合はドル安要因に。
【米・12月コアPCE価格指数】(26日発表予定)
1月26日発表の12月コアPCE価格指数は前年比+3.0%と、前回実績の+3.2%から伸びの鈍化が予想される。市場予想を下回った場合、インフレ緩和期待でドル売りが強まる見通し。
予想レンジ:146円00銭-150円50銭
《FA》