<動意株・22日>(大引け)=ソシオネクス、エクサWiz、セックなど
ソシオネクスト<6526>=戻り足が本格化。半導体関連株の物色人気が加速しているが、相対的に出遅れる主力銘柄の一角では同社に注目が集まっている。「ここまでは半導体製造装置関連が政府の半導体強化政策で最も恩恵を受けやすいセクターとして脚光を浴びたが、半導体設計分野にも投資家の視線が集まっている」(ネット証券アナリスト)という。特に同社はSoC(システムオンチップ)の設計・開発・販売を手掛け、先端プロセス製品を中心に量産段階へ移行していることで投資マネーの関心が高い。市場では「同社が、北海道千歳工場で先端半導体の量産を行う計画のラピダスから受注を獲得するのではないかとの思惑も取り沙汰されている」(同)もようで、これが株価を改めて刺激している格好だ。株式需給面では外資系証券による貸株市場経由の空売りも高水準に積まれており、そのショートカバーによる踏み上げ相場の様相も呈しつつある。
エクサウィザーズ<4259>=上値指向強め4日続伸。午前11時30分ごろ子会社エクサホームケアが運営する超高齢社会の新しいWebアプリマーケティングツール「CareWiz トルト for me」が、あいおいニッセイ同和損害保険(東京都渋谷区)に採用されたと発表しており、好材料視されている。「CareWiz トルト for me」は、全国約800カ所の介護事業所で約30万回の身体機能の分析実績がある「CareWiz トルト」を、一般企業向けに提供するもの。「CareWiz トルト for me」を活用することで、自身の身体機能状態を把握したうえで、パーソナライズした情報を受け取ることができるようになり、あいおいニッセイ同和損保が健康と生活に役立つ情報を提供することで、健康寿命の延伸など社会価値の創出に貢献するとしている。なお、2月に一般企業向けにリリースする予定という。
セック<3741>=大幅高で昨年来高値を更新。JAXA(宇宙航空研究開発機構)の月探査機「SLIM」が20日、日本の無人探査機として初めて月面着陸に成功したことを受けて、「SLIM」搭載の変形型月面ロボットのソフトウェア及びX線分光撮像衛星「XRISM」向け観測データベースシステムの開発に協力した同社に関連銘柄物色が波及している。月面着陸は世界でも旧ソ連、米国、中国、インドに次ぐ5カ国目の快挙となる。
北川鉄工所<6317>=マド開け急伸。同社は工作機械器具や自動車用の鋳造部品のほか、立体駐車場や産業機械を手掛けるが、半導体研磨材の製造販売会社ケメット・ジャパン(千葉市)とハードディスク製造装置メーカーであるシステム精工(新潟県長岡市)の2社を完全子会社化し半導体事業にも参入している。一方、前期実績ベースで年30円配を行う有配企業でありながら、PBRが0.3倍台という超低位に放置されており、バリュー株としての側面で見直し余地が大きい。24年3月期は営業利益段階で前期比5.1倍の10億円を予想、年間配当は前期と並びの30円を計画しているが、配当利回りは2%前後にとどまっており、来期は株主還元強化に動く可能性も十分。増配期待も株高を後押ししそうだ。
ジェイテックコーポレーション<3446>=5日線足場に戻り足鮮明。研究・実験施設向けに納入する超高精度X線ミラーで高実績を誇るほか、次世代半導体向けに同社の独自技術を生かして開発した半導体研磨装置などで実力を発揮、半導体関連株全般の物色人気に乗っている。特に同社の手掛ける超高精度X線ミラーはオランダの半導体露光装置トップメーカーASML<ASML>の次世代機向けで需要本格化に向けた期待を内包している。株式需給面では外資系証券による貸株市場を経由した空売りが高水準に溜まっており、その買い戻しが株価押し上げ要因となっているもようだ。
松屋アールアンドディ<7317>=大幅高で新値街道突入。自動縫製機の開発・製造のほか、エアバッグなどの自動車部品の製造・販売を手掛けている。足もとの業績は自動車生産回復を背景としたエアバッグなどの好調に加え、新生産ライン稼働などによる合理化効果が発現し会社側の想定を上回って推移している。前週末19日取引終了後、24年3月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来見通しの8億6000万円から11億円(前期比80%増)に大幅増額しており、これを材料視する形で投資資金が流入した。
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