ダウ平均は最高値更新続く バリュエーションは高くないとの指摘も=米国株序盤
NY株式22日(NY時間11:04)(日本時間01:04)
ダウ平均 37995.66(+131.86 +0.35%)
ナスダック 15343.09(+32.12 +0.21%)
CME日経平均先物 36690(大証終比:+80 +0.22%)
きょうもNY株式市場でダウ平均は最高値更新。AIとIT・ハイテクを巡るポジティブなセンチメントが続いている。バリュエーションは昨年7月の高値に戻ったが、見かけほど高くはないとの指摘も出ている。S&P500企業の予想ベースの株価収益率(PER)は20倍まで回復しているが、2020年のパンデミック後に記録した23.4倍からはまだ若干下回って推移しており、過熱感はないという。米経済指標からもたらされる堅調なシグナルと、恐らく今週発表のGDPに関するポジティブな期待もサポートしているとの指摘も出ている。
ただ、市場が織り込んでいる利下げ期待はリスクで、市場が長期に渡る高金利を警戒してポジションを取るべきと考え始めたら、本当に痛みを伴う下落の危険性もあると述べている。「利下げに関するFRBと市場の意見の相違が解消されるまでは、急速な上昇は期待できない。しかし、上昇に転じた時の強気筋の力を過小評価してもならない」といった声も出ているようだ
一方、弱気なストラテジストからは低位株、S&P500、小型株の年末ラリーが巻き戻されるリスクが指摘されている。今年の米株式市場のパフォーマンスは多くの意味でソフトランディングと同義で、典型的なサイクル後期の環境に逆戻りしているという。
また、上げを先導しているマグニフィセント7と呼ばれる巨大IT・ハイテク企業は、テクニカル的に買われ過ぎの状況にあるとの指摘も出ていた。
今週は決算が本格化するほか、米GDPやPCEデフレータも発表される。これらを通過してもなお、上向きの流れを維持できるか注目される。
ギリアド・サイエンシズ<GILD>が下落。医薬品の肺がん適応の臨床試験で成果が得られなかったと伝わった。
穀物メジャーのアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド<ADM>が大幅安。会計慣行を巡る調査が進む中で、CFOを休職扱いにするとともに業績見通しを下方修正した。発表資料によると、ルターCFOは即時休職扱いとなり、暫定CFOにロイグ氏が就くという。
投資銀行のBライリー・ファイナンシャル<RILY>が大幅安。米証券取引委員会(SEC)が、同社と証券詐欺に関与したとされるブライアン・カーン氏との取引、そして野村からの融資の担保としてカーン氏の資産が差し出された経緯を調査していると伝わった。ブルームバーグが関係者の話として伝えた。なお、野村は今回の調査の焦点ではないという。
百貨店のメーシーズ<M>が上昇。投資会社アークハウスと資産運用会社ブリゲード・キャピタルからの買収提案について、説得力のある価値を欠いているとし、拒否する姿勢を示した。
Bライリー<RILY> 18.69(-1.49 -7.38%)
アーチャー・ダニエルズ<ADM> 54.94(-13.26 -19.44%)
ギリアド<GILD> 78.96(-8.33 -9.54%)
メーシーズ<M> 17.95(+0.32 +1.79%)
アップル<AAPL> 193.34(+1.78 +0.93%)
マイクロソフト<MSFT> 395.25(-3.43 -0.86%)
アマゾン<AMZN> 154.19(-1.15 -0.74%)
アルファベットC<GOOG> 148.79(+0.82 +0.55%)
テスラ<TSLA> 209.84(-2.36 -1.11%)
メタ・プラットフォームズ<META> 383.99(+0.54 +0.14%)
AMD<AMD> 165.48(-8.75 -5.02%)
エヌビディア<NVDA> 595.45(+0.54 +0.09%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美