米、ISのテロ攻撃をイランに事前警告していた
イランで80人以上が死亡した今月3日のテロ事件を巡り、過激派組織「イスラム国(IS)」が自爆テロを計画していることを米国が秘密裏にイランに伝えていた。米政府関係者が明らかにした。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が関係者の話として伝えた。
米国はアフガニスタンのIS関連組織「ISISホラサン(ISIS-K)」がイランで攻撃を計画しているとの情報を入手し、秘密裏に警告していたという。
米政府関係者によると、イランには場所に関する具体的な情報を伝えており、3日に起きた攻撃を阻止するか、少なくとも犠牲者を減らす措置を取る十分な時間があったという。
だがイランは、イラン革命防衛隊精鋭部隊の故ソレイマニ司令官の追悼に集まった群衆への自爆テロを阻止できなかった。
米政府関係者は、「ISが3日にイランのケルマンでテロ攻撃を行う前に、米政府はイランに対し、同国の国境内にテロの脅威があることを非公式に警告していた」と述べた。
ある米政府関係者によると、警告についてイラン側から返答はなかった。イランが攻撃を阻止するか被害を軽減できなかった理由は明らかではないと複数の当局者が語った。
イランへの警告は米政府内で厳重に守られた機密だったという。政府がイラン政府と間接的であれ接触していることが明らかになるリスクを避けたい思惑がうかがえる。