株価指数先物【寄り前】 狭いレンジながら短期ショートを誘う
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 35930 -70 (-0.19%)
TOPIX先物 2524.0 +3.5 (+0.13%)
シカゴ日経平均先物 35930 -70
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
30日の米国市場は、NYダウが上昇した一方で、 S&P500、ナスダックは下落。NYダウは4日続伸で最高値を更新した。31日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を控え、様子見姿勢が広がった。アナリストによる目標株価の引き上げが伝わったJPモルガン・チェース<JPM>とゴールドマン・サックス<GS>など金融株が買われ、NYダウを支える格好となった。半面、アナリストが2024年のスマートフォン販売が前年を下回る見通しを示したことが嫌気されたアップル<AAPL>が2%近く下げ、他のハイテク株の重荷となった。S&P500業種別指数は、銀行、エネルギー、自動車・同部品が上昇した一方で、テクノロジー・ハード・機器、運輸、不動産が下落した。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比70円安の3万5930円だった。日経225先物(3月限)は日中比90円安の3万5910円で始まり、直後に付けた3万5870円を安値に膠着感が強まり、3万5870円~3万5970円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを上放れ、一時3万6030円とプラスに転じた。ただしロングの流れは強まらず、3万5930円~3万5980円辺りの狭いレンジ推移を経て、3万5930円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売り優勢の展開になりそうだ。米国で取引終了後に決算を発表したマイクロソフト<MSFT>は売上高や1株利益が予想を上回ったが、時間外取引では利食い優勢の動きをみせている。大型テック株の決算が本格化するなか、模様眺めムードが強まりそうだ。
日経225先物は3万6000円を挟んだ底堅さは意識されるものの、ナイトセッションではボリンジャーバンドの+1σ(3万6200円)を下回っての推移だった。FOMCの結果待ちとなるなか、オプション権利行使価格の3万6000円を中心とした上下の権利行使価格である3万5750円から3万6250円辺りのレンジを想定する。
また、国際通貨基金(IMF)は「日銀はインフレ急進の場合に備え、利上げの準備をしておくことが必要」と指摘したようである。金融政策の正常化観測が再燃する可能性があり、持ち高調整の流れにつながりそうだ。積極的な売買が手控えられるなか、短期的にショートを仕掛けてくる動きには注意したい。
VIX指数は13.31(前日は13.60)に低下した。25日移動平均線(13.22)が支持線として意識される可能性はあるが、FOMC通過後や大型テック株の決算後にショートを仕掛けてくる動きには引き続き注意が必要だろう。低下ながら、やや慎重姿勢に向かわせそうである。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.28倍に上昇した。一時14.23倍まで低下し、14.20倍で推移している25日線に接近する場面も見られたが、後場の終盤にかけてのリバランスとみられる動きによって切り返している。米国では金融株が買われた一方で、アップルが売られた。時間外のマイクロソフトの弱い動きもあり、NTショートに振れやすくなりそうだ。
株探ニュース