話題株ピックアップ【夕刊】(3):Vコマース、アルプスアル、アンリツ
■バリューコマース <2491> 1,267円 -291 円 (-18.7%) 本日終値 東証プライム 下落率トップ
バリューコマース<2491>が急反落。30日取引終了後に発表した24年12月期連結業績予想は、売上高が前期比3.7%減の283億円、営業利益が同23.5%減の40億円と前期に続き減収減益の見通しを示した。配当予想も同11円減の42円と減配を見込んでおり、これを嫌気した売りが出ている。既存事業の成長が見込めないなか、新規事業やトラベルテック領域へ大きく投資を行っていくという。同時に発表した23年12月期決算は売上高が前の期比17.7%減の293億9600万円、営業利益が同36.6%減の52億2900万円だった。金融分野の広告主の出稿方針変更や広告予算抑制が響いた。
■アルプスアルパイン <6770> 1,101.5円 -205.5 円 (-15.7%) 本日終値 東証プライム 下落率2位
アルプスアルパイン<6770>は大きく売られ昨年来安値を更新。30日取引終了後に24年3月期連結業績予想の下方修正を発表。売上高を9600億円から9570億円(前期比2.6%増)に見直したほか、最終損益を200億円の黒字から一転350億円の赤字(前期114億7000万円の黒字)に引き下げており、これが嫌気された。スマートフォン向け製品の売り上げ構成の変化や低収益製品の売り上げ増、一部顧客向け製品の納入終了に伴う売り上げ減少が要因。加えて、事業用固定資産の減損損失353億円を計上することも響く。あわせて、配当予想を40円から30円(前期40円)に減額修正した。
■アンリツ <6754> 1,172円 -154 円 (-11.6%) 本日終値 東証プライム 下落率3位
アンリツ<6754>が急落。30日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想について、売上高を1115億円から1105億円(前期比0.4%減)へ、営業利益を109億円から101億円(同14.0%減)へ、純利益を85億円から80億円(同13.7%減)へ下方修正したことが嫌気された。主力の通信計測事業で、生成AIの普及拡大によるデータセンターなどのネットワーク高速化に向けた測定需要が引き続き堅調である反面、中国市場において5Gスマートフォンの開発投資需要が停滞していることが要因としている。同時に発表した第3四半期累計(23年4~12月)決算は、売上高777億8100万円(前年同期比4.8%減)、営業利益51億5900万円(同35.5%減)、純利益39億2400万円(同37.2%減)だった。
■トクヤマ <4043> 2,378円 -90 円 (-3.7%) 本日終値
トクヤマ<4043>が続落。午前9時ごろ、24年3月期の連結業績予想について、売上高を3550億円から3450億円(前期比1.9%減)へ、営業利益を300億円から260億円(同81.3%増)へ、純利益を220億円から180億円(同92.2%増)へ下方修正したことが嫌気された。足もとで半導体市場の低迷により半導体関連製品の販売が軟調に推移しており、これをふまえて通期の業績予想を精査した結果、想定と比較しても半導体関連製品の販売数量の減少が見込まれることなどが要因としている。なお、同時に発表した第3四半期累計(23年4~12月)決算は、売上高2502億5500万円(前年同期比3.4%減)、営業利益169億3700万円(同28.7%増)、純利益119億700万円(同39.6%増)だった。
■山洋電気 <6516> 6,180円 -210 円 (-3.3%) 本日終値
山洋電気<6516>は大幅反落。30日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想について、売上高を1311億円から1108億円(前期比8.3%減)へ、営業利益を166億円から117億円(同12.8%減)へ、純利益を125億円から92億円(同19.4%減)へ下方修正したことが嫌気された。同社グループの主な販売市場である通信装置、ロボット、工作機械、半導体製造装置などのファクトリーオートメーション市場からの需要が減退したことが要因としている。なお、31日午前11時ごろには第3四半期累計(23年4~12月)決算を発表しており、売上高865億5600万円(前年同期比3.1%減)、営業利益96億7400万円(同0.4%減)、純利益78億1400万円(同4.8%減)だった。
■第一工業製薬 <4461> 2,529円 +500 円 (+24.6%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
第一工業製薬<4461>がストップ高。30日取引終了後に発表した23年4~12月期決算は、売上高が前年同期比7.1%減の456億3400万円、最終損益が前年同期実績(3億9500万円の赤字)から2億9900万円の黒字に転換して着地した。最終損益は4~9月期(上期)時点で赤字だったものの、直近10~12月期に大幅な黒字を計上。半導体やディスプレイ関連の市況回復が追い風となったほか、価格転嫁や経費削減の取り組みが奏功した。足もとの業績改善を好感した買いが流入した。
■東邦金属 <5781> 1,600円 +300 円 (+23.1%) ストップ高 本日終値
東邦金属<5781>がストップ高。30日の取引終了後、筆頭株主である太陽鉱工(神戸市中央区)が完全子会社化を目的に、東邦金に対し株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。買い付け価格は1株1885円。東邦金の株価はこのTOB価格にサヤ寄せする動きをみせている。レアメタルなどの素材メーカーである太陽鉱工は、東京証券取引所が2020年2月に新市場区分の概要について公表後、東邦金の上場維持基準の適合性に関する課題認識を強め、資本関係の一本化について検討するようになったという。買付予定数の下限は81万8700株で上限は設定しない。買い付け期間は1月31日から3月14日まで。TOB成立後は所定の手続きを経て、東邦金は上場廃止となる見込み。東邦金はTOBに賛同の意見を表明し、株主に応募を推奨する。東証は30日、東邦金を監理銘柄(確認中)に指定した。東邦金と太陽鉱工は、明治から大正時代の総合商社である鈴木商店を起源とする。
■放電精密加工研究所 <6469> 668円 +100 円 (+17.6%) ストップ高 本日終値
放電精密加工研究所<6469>がストップ高。30日の取引終了後、三菱重工業<7011>との間で資本・業務提携を行うことを決めたと発表。三菱重を割当先とする増資により調達した資金は設備投資に充てる方針で、事業拡大を期待した買いが集まったようだ。放電精密は三菱重を割当先として新たに354万6100株を1株564円で発行する。手取り概算で約19億5900万円を調達し、設備投資などに充てる。三菱重の高効率ガスタービンコンバインドサイクルプラント(GTCC)事業部門や、航空・防衛部門、同社子会社の三菱重工航空エンジンなどから、放電精密は増産の打診を受けていたという。
■フジオーゼックス <7299> 7,370円 +1,000 円 (+15.7%) ストップ高 本日終値
フジオーゼックス<7299>がストップ高。30日の取引終了後に株式分割と株主優待制度の新設を発表しており、これを好感した買いが流入した。3月31日を基準日として、1株を5株に株式分割する。一方、株主優待制度は25年3月31日時点の株主から、毎年3月末時点で1単元(100株)以上を1年以上(初回に限り9カ月間)継続して保有する株主を対象に、保有株数に応じて全国共通商品券を2000~1万円相当分贈呈する。また、同時に発表した第3四半期累計(23年4~12月)連結決算が、売上高174億2800万円(前年同期比7.7%増)、営業利益13億1100万円(同65.2%増)と大幅営業増益となったことも好材料視された。中国で日系の販売回復に遅れがみられるものの、自動車メーカーの生産回復の影響で国内売上高が回復したほか、北米向け受注が増加したことが牽引した。なお、24年3月期通期業績予想は、売上高233億5000万円(前期比8.1%増)、営業利益18億円(同2.1倍)の従来見通しを据え置いている。
■第一屋製パン <2215> 749円 +100 円 (+15.4%) ストップ高 本日終値
第一屋製パン<2215>がストップ高。製パン大手で「ポケモンパン」をはじめキャラクター商品を強みとし、和菓子などにも展開する。業績は低迷が続いていたが、製品値上げ効果や生産合理化などの効果が発現し足もとで収益採算が急回復の兆しをみせている。30日取引終了後に23年12月期の業績予想の修正を発表しており、営業利益は従来計画の3億5800万円から5億9700万円(前期は6億6900万円赤字)に大幅増額しており、これがポジティブサプライズとなった。株式需給面では売り物薄で株価は昨年12月下旬以来の700円台を回復する公算が大きくなっている。
●ストップ高銘柄
ピアラ <7044> 375円 +80 円 (+27.1%) ストップ高 本日終値
ぷらっとホーム <6836> 876円 +150 円 (+20.7%) ストップ高 本日終値
など、9銘柄
●ストップ安銘柄
アライドアーキテクツ <6081> 390円 -80 円 (-17.0%) ストップ安 本日終値
など、1銘柄
株探ニュース