米雇用統計、FRBの早期利下げ期待を大きく後退させる

市況
2024年2月2日 23時56分

米労働省がこの日発表した1月の米雇用統計で、非農業部門雇用者数(NFP)は35万3000人増と予想を大きく上回った。前回12月分も大幅に上方修正されている。失業率も3.7%の低水準に留まった。ヘルスケア、専門・ビジネスサービス、小売業がけん引した。また、労働参加率も62.5%を維持した。

一方、平均時給は前月から上げが加速し、2022年3月以来の伸びとなった。前月比0.6%、前年比4.5%の上昇。これは労働時間の減少によって押し上げられた可能性が高い。週平労働時間

は34.1時間に減少。1月の米雇用統計の調査週は、多くの地域で経済活動を混乱させる厳しい冬の悪天候が続いた。テキサス州では氷点下、中西部では大雪、北東部では鉄砲水が発生した。悪天候のために働かなかった従業員の数が50万人を超え、過去約3年間で最多となった。

強い米雇用統計により、市場はFRBの早期利下げ期待を大きく後退させている。短期金融市場では早期利下げ期待が後退しており、3月は77%以上の確率で据え置きを織り込んでいる。また、今週のパウエルFRB議長の会見を受けて、利上げ開始の予想コンセンサスの中心となった5月も、利下げ確率を73%程度に低下させている。前日までは90%以上の確率を織り込んでいた。

ストラテジストは「本日の米雇用統計はFRBが利下げを踏み留まることが正当化される。経済は高水準の雇用を生み出すのに十分強い」と述べている。

*米雇用統計(1月)22:30

非農業部門雇用者数

結果 35.3万人

予想 18.0万人 前回 33.3万人(21.6万人から修正)(前月比)

民間部門雇用者数

結果 31.7万人

予想 17.0万人 前回 27.8万人(16.4万人から修正)

製造業雇用者数

結果 2.3万人

予想 0.3万人 前回 0.8万人(0.6万人から修正)

失業率

結果 3.7%

予想 3.8% 前回 3.7%

平均時給

結果 0.6%

予想 0.4% 前回 0.4%(前月比)

結果 4.5%

予想 4.2% 前回 4.3%(4.1%から修正)(前年比)

週平均労働時間

結果 34.1

予想 34.3 前回 34.3

労働参加率

結果 62.5%

予想 62.6% 前回 62.5%

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.