12月の米貿易赤字、0.5%拡大し622億ドルに 通年では4年ぶりに縮小
米商務省が発表した12月の貿易統計によると、貿易赤字は0.5%拡大して622億ドルとなった。しかし、前年比では大幅に減少。
輸入は1.3%減の3204億ドルとなった。輸入減少の主な要因は、原油価格の低下と、コンピューターや携帯電話などの消費財に対する家計需要の減少。その代わりに、米国人は旅行やレクリエーションなどのサービスにより多くの支出をした。一方、輸出は1.2%増の2582億ドルとなり、23年の最高を更新。ドル安と米国産原油の出荷増が昨年の記録的な輸出を支えた。
一方、2023年通年では前年比18.7%減の7734億ドルと、4年ぶりに縮小した。工業用品や原材料、消費者向け製品などの輸入が減少した。一方、世界的な景気減速でモノの輸出も伸びなかった。赤字幅の減少率は、金融危機だった2009年以来14年ぶり。米中対立を背景に、中国からのモノの輸入が大幅に減少。国別ではメキシコを下回り、2位に転落した。
輸出は1.2%増の3兆534億ドル。モノの輸出は減少したものの、旅行や金融などのサービス輸出が伸びた。輸入は3.6%減の3兆8269億ドル。原油などが大幅に減少。コンピューターや衣類などもマイナスだった。
今年は世界経済の成長鈍化が悪影響を及ぼす可能性があり、赤字は拡大が見込まれている。
*米貿易収支(12月)22:30
結果 -622.0億ドル
予想 -623.0億ドル 前回 -619.0億ドル(-632.0億ドルから修正)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美