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5年で130万円→4000万円、日本株撤退から学んだ大化けゲットの技

特集
2024年2月8日 10時05分

すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 RENEさんの場合-第2回

登場する銘柄
ハイアールグループ(香港1169)(現在は上場廃止)、CSGホールディング(深セン000012)、マクドナルド<MCD>、中国人民財産保険(香港2328)、コカ・コーラ<KO>

編集・構成/真弓重孝、取材/高山英聖(株探編集部)

イラスト:福島由恵
■RENEさん(ハンドルネーム・50代・男性)のプロフィール:
大手製薬会社に勤務する兼業投資家。日本株、中国・香港株、アメ株への長期投資で、現在は待機資金を含めると4億円の運用資産を持つ。1990年代に日本株投資を始めるも思うような成果を出せなかったところ、2000年頃から中国・アメ株に対象を変えると、順調に成果を上げる。その成功体験を基に日本株もアベノミクス以降に再挑戦した結果、累計元本1000万円は約40倍に拡大、直近の配当収入は700万円におよぶ。「株探アンケート~24年の日本株戦略」の回答者で、投資スタイルは「バリュー重視」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。

第1回記事「120カ国を旅した億り人が、タカラトミーで4倍化に成功したワケ」を読む

「わずか5年で株価が30倍に高騰したんです」

億り人のRENEさん(ハンドルネーム)にとって"会心の一打"となったその銘柄は、2007年頃に投資した中国の家電メーカー、ハイアールグループ株(現在は上場廃止)だ。

本人の記憶によれば、当時の同社は業績不振で一見魅力に乏しい状況だった。しかしRENEさんは投資を決断する。きっかけは南米旅行。ブラジルやアルゼンチンなどで見た光景が印象的だったからだ。

RENEさんは2000年代に入ってから中国・香港株とアメ株への投資を開始し、今ではポートフォリオの半分を占めている。2回目は、株資産の半分を占める中国・アメ株の成功体験に焦点を当てる。

■RENEさんの株資産のポートフォリオ

【タイトル】

南米のスーパーで見た驚きと知人に聞いた「共産党主導で世界を席巻する」

南米旅行での気づきとは、中国の家電メーカーが世界市場で影響力を増してきていることだった。

ブラジルやアルゼンチンに滞在中、足を運んだ地元のスーパーには、白物家電の展示スペースにハイアール製品が目立つように陳列されていた。店員に理由を尋ねると、ハイアール製品は高品質だからと言う。現地で訪れた店舗のほとんどで、ソニーや東芝、日立といった日本ブランドの製品を目にすることはなかった。

その旅行を境に、RENEさんは、ハイアール株に興味を持ったものの、購入することに逡巡していた。というのも当時の同社の赤字決算で、RENEさんの記憶では株価は日本円換算でわずか10円程度と、業績と株価の不振が際立っていたからだ。

ためらう気持ちを振り払うことになったのが、日本に在住する中国人の知人から聞いた話だ。ハイアールは中国共産党の有力者の親族が関与し、世界の家電メーカーのリーダーになる目標を掲げているというものだった。

ハイアールは中国共産党主導で世界を席巻する――。そう期待を高めたRENEさんは、同社株を130万円で購入すると、5年も経たずに株価は約30倍となった。当初の130万円が4000万円ほどに膨らんだところで、手仕舞った。

「経営者が株式分割に積極的」と期待し、中国ガラス大手に投資

ハイアールのように、RENEさんの中国・香港株およびアメ株の銘柄選別は、海外旅行で遭遇した驚きや感動、日本に在住する外国人から聞いた話を起点にすることがほとんどだ。購入後は長期保有を原則として、配当は再投資に回して資産拡大を目指す。

現在、中国・香港株で最も配分が高いのが、深セン証券取引所に上場する大手ガラスメーカーのCSGホールディング(000012)、アメ株ではマクドナルド<MCD>となる。

CSGホールディングには、中国の経済発展とともにガラスの需要も拡大していくという期待からリーマンショックが起きた2008年頃に投資を開始した。

ショック後の暴落時などに買い増してきた結果、足元の保有数は70万株に達し、現在の運用額は3500万円と中国株資産の3割以上を占めている。

■CSGホールディングの月足チャート(2004年末~)

【タイトル】

出所:QUICK・ファクトセット

2014年から同社株の動きは、概ね4元~12元のボックス圏で推移している。こうした展開となっている背景には、中国経済の行く末や政治に対する警戒感が影響している可能性もあるが、RENEさんは保有を継続する方針だ。

その理由は3つある。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

次ページ 中国経済に不安があってもCSG株を保有し続ける3つの理由

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