話題株ピックアップ【夕刊】(3):任天堂、日本製鉄、清水建

注目
2024年2月8日 15時21分

■任天堂 <7974>  8,620円  +251 円 (+3.0%)  本日終値

任天堂<7974>が4日ぶりに反発し上場来高値を更新。6日の取引終了後、第3四半期決算を発表するとともに24年3月期連結業績予想の増額修正を公表し、最終利益予想を4200億円から4400億円(前期比1.7%増)に見直した。期末配当予想は従来予想から8円増額して109円とした。この発表を受け、7日の株価は最高値に買われたが、買い一巡後は値を消しマイナス圏で取引を終えていた。しかし、この日は再び買い人気を集めている。岩井コスモ証券は7日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに、目標株価を7500円から1万円に引き上げた。家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」関連収益の上振れや円安効果により今期は増益に転じる見通しとなったことや、映画などで自社IP(知的財産)を活用する収益源が広がっていること、次世代ゲーム機への期待などが同社の評価を高めるとみている。

■スカパーJ <9412>  857円  +24 円 (+2.9%)  本日終値

スカパーJSATホールディングス<9412>が高い。7日の取引終了後、24年3月期第3四半期累計(4~12月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を上方修正した。今期の経常利益は220億円から253億円(前期比9.1%増)に見通しを引き上げた。減益予想から一転、過去最高益の更新を計画する形となり、ポジティブ視されたようだ。今期の営業収益予想は1210億円から1215億円(同0.3%増)に見直した。宇宙事業においてグローバル・モバイル分野や国内衛星ビジネス分野が伸長し、為替効果も出る。更に、一部の先行費用の発生延期が見込まれ、利益を押し上げる要因となるという。4~12月期の営業収益は前年同期比2.7%増の910億2200万円、経常利益は同22.2%増の209億3400万円だった。

■セリア <2782>  2,885円  +60 円 (+2.1%)  本日終値

セリア<2782>は反発。岩井コスモ証券は7日、同社株の投資判断を新規「A」でカバレッジを開始した。目標株価は3500円とした。同社は100円ショップ「セリア」を運営し、デジタルトランスフォーメーション(DX)やデータ運営による収益力の高さを特徴としている。100円の価格にこだわったことで、粗利益率及び営業利益率が厳しい状況が続いているが、下期から既存店客数が増加傾向に転じこれ以上の利益率の悪化はない、と予想。来期には商品改廃や低原価商品開発による効果に加え、セルフレジによる省人効果などにより、営業利益率が改善に転じる可能性があるとみている。24年3月期の連結営業利益は前期比10.7%減の138億円の予想だが、同証券では140億円を予想。25年3月期の同利益は163億円を見込んでいる。

■新日本空調 <1952>  2,725円  +46 円 (+1.7%)  本日終値

新日本空調<1952>が後場上げ幅を拡大。午後1時30分ごろに発表した第3四半期累計(23年4~12月)連結決算が、売上高856億2600万円(前年同期比18.3%増)、営業利益50億6900万円(同32.2%増)、純利益40億7300万円(同32.3%増)と大幅増益となったことが好感された。都心を中心とした再開発事業や製造業の設備投資が引き続き堅調に推移しており、新築分野が保健・産業案件ともに増加した。人的資本への積極投資などで販管費は増加したものの、施工効率化などの取り組みにより完工粗利益率が改善されたことも寄与した。24年3月期通期業績予想は、売上高1230億円(前期比9.6%増)、営業利益77億円(同8.1%増)、純利益57億円(同1.8%増)の従来見通しを据え置いている。

■東邦ホールディングス <8129>  3,231円  +44 円 (+1.4%)  本日終値

東邦ホールディングス<8129>が後場に急伸した。8日午後1時、24年3月期第3四半期累計(4~12月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績と配当予想を上方修正しており、評価されたようだ。今期の売上高予想を1兆3250億円から1兆4580億円(前期比4.7%増)、最終利益予想を123億円から145億円(同6.4%増)に引き上げた。最終利益は減益予想から一転、増益を計画する。新型コロナウイルス関連製品の売り上げが想定を上回って推移。がん治療薬やスペシャリティー医薬品などの新薬の売り上げ拡大などもあって収益が計画を上回る見込みとなった。年間配当予想は普通配当を4円増額し、記念配当4円とあわせて40円(前期は32円)に見直した。

■日本製鉄 <5401>  3,597円  +32 円 (+0.9%)  本日終値

日本製鉄<5401>は続伸。7日の取引終了後、24年3月期第3四半期累計(4~12月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績と配当予想を修正した。今期の最終利益予想を4200億円から4700億円(前期比32.3%減)に引き上げたほか、年間配当予想を10円増額して160円(同20円減配)に見直しており、買い安心感をもたらしたようだ。製鉄事業において、為替影響を含むマージンが改善し、利益の上振れに寄与する。今期の売上収益予想は9兆円(同12.8%増)で据え置いた。4~12月期の営業収益は前年同期比11.4%増の6兆6418億1600万円、最終利益は同14.7%減の4409億1400万円だった。

■清水建設 <1803>  878.8円  -169.2 円 (-16.2%)  本日終値  東証プライム 下落率トップ

清水建設<1803>が後場に急落し、1000円の大台を割り込んだ。8日午後1時、24年3月期第3四半期累計(4~12月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を見直した。営業損益の見通しはこれまでの575億円の黒字から330億円の赤字(前期は546億4700万円の黒字)に修正した。増益予想から一転して営業赤字に転落する見通しとなったほか、配当予想も減額しており、ネガティブ・サプライズと受け止められた。年間配当予想は7円減額し20円(前期比1円減配)とした。資材・設備工事価格が高騰し、今後も更なる建設コストの上昇が見込まれるなか、国内建築の複数の大型工事で発注者と影響額の負担について交渉を継続してきたものの、その全額を吸収するのが困難となり、多額の工事損失の発生が見込まれることとなった。また、過年度に工事損失引当金を計上した海外の大型建築工事において、工程遅延や労務費の増加、円安を背景に、更なる工事損失の発生が見込まれることとなり、これらの影響を業績予想に反映した。最終利益の見通しは500億円から100億円(前期比79.6%減)に修正した。投資有価証券売却益の計上により最終黒字は確保する見込み。加えて、同社は取得総数1300万株(自己株式を除く発行済み株式総数の1.80%)、取得総額100億円を上限とする自社株買いの実施も発表した。

■東芝テック <6588>  2,874円  -336 円 (-10.5%)  本日終値  東証プライム 下落率3位

東芝テック<6588>が急反落。7日取引終了後に24年3月期連結業績予想の修正を発表。売上高を5400億円から5450億円(前期比6.7%増)へ引き上げた一方、最終損益を70億円の黒字から損益均衡(前期137億4500万円の赤字)へ引き下げており、これを嫌気した売りが出ている。売上高は為替の影響を織り込んだ。最終損益については米国子会社の業績悪化に伴う繰延税金資産の取り崩しにより、法人税等調整額152億400万円を計上することが響く。

■ディー・エヌ・エー <2432>  1,372円  -156.5 円 (-10.2%)  本日終値  東証プライム 下落率5位

ディー・エヌ・エー<2432>が大幅安。7日の取引終了後に23年4~12月期連結決算を発表。売上高が前年同期比2.7%増の1041億4900万円だった一方、最終損益が前年同期実績(72億8700万円の黒字)から一転312億3300万円の赤字に転落して着地しており、失望売りが広がっている。ゲーム事業が不調だったものの、「Pococha(ポコチャ)」を含むライブストリーミング事業やスポーツ事業が牽引する形で売上高は増加。ただ、利益面ではゲーム事業におけるソフトウェア資産やのれんに関する減損損失、持ち分法適用関連会社SHOWROOMの投資損失の計上が大きく響いた。なお、通期見通しは引き続き非開示とした。

■ユナイテッドアローズ <7606>  1,782円  -178 円 (-9.1%)  本日終値  東証プライム 下落率7位

7日に決算を発表。「4-12月期(3Q累計)経常が6%減益で着地・10-12月期も17%減益」が嫌気された。

ユナイテッドアローズ <7606> [東証P] が2月7日大引け後(15:00)に決算を発表。24年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比5.5%減の63.5億円に減り、通期計画の74.2億円に対する進捗率は5年平均の94.6%を下回る85.7%にとどまった。

⇒⇒ユナイテッドアローズの詳しい業績推移表を見る

■W TOKYO <9159>  2,960円  +500 円 (+20.3%) ストップ高   本日終値

W TOKYO<9159>がストップ高。寄り付き大口の買い注文に商いが成立せず、気配値のまま株価を上昇させている。同社は「東京ガールズコレクション(TGC)」の運営を行っており、ロイヤルティ収入も収益に寄与している。7日取引終了後、Web3領域の合弁会社に秋元康氏とWeb3起業家の渡辺創太氏を迎え、グローバルなエンターテインメント事業を2月から始動することを発表した。秋元氏が総合プロデューサーに、渡辺氏が取締役に就任する。これを手掛かり材料に投資資金の流入が加速する格好となった。株価は1月24日につけた戻り高値2648円を一気に上抜きカイ気配のまま2000円台後半に駆け上がる展開となっている。

●ストップ高銘柄

フォーサイド <2330>  193円  +50 円 (+35.0%) ストップ高   本日終値

ポプラ <7601>  324円  +80 円 (+32.8%) ストップ高   本日終値

売れるネット広告社 <9235>  2,804円  +500 円 (+21.7%) ストップ高   本日終値

スリーエフ <7544>  510円  +80 円 (+18.6%) ストップ高   本日終値

など、8銘柄

●ストップ安銘柄

デリバリコン <9240>  737円  -150 円 (-16.9%) ストップ安   本日終値

など、1銘柄

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