ペイパルが決算受け下落 コスト削減に不満も=米国株個別
(NY時間09:52)(日本時間23:52)
ペイパル<PYPL> 57.13(-6.11 -9.66%)
決済サービスのペイパル<PYPL>が下落。前日引け後に10-12月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益、経常収益とも予想を上回った。総取扱高および取扱件数も予想を上回っている。
ただ、株価はネガティブな反応。ガイダンスも公表し、通期の1株利益の見通しが予想を下回ったほか、フリーキャッシュフロー(FCF)も予想を下回る見通しを示した。
同社は、引き続きコスト削減と事業合理化に取り組んでいることから、通期の利益は横ばいになるとの見通しを示した。クリスCEOは全従業員の約9%を削減すると発表。
同CEOは昨年、同社の進歩の遅れをコストと複雑な構造のせいだと述べていた。同CEOはインタビューで、「われわれは、より効率的な企業を目指しているため、従業員数以外にも見直せる経費がまだ十分にある」と述べた。
アナリストからは「投資家たちは、トランザクションに関連しない営業費用をより積極的に削減する兆しを探っていた。しかし、今回のガイダンスとコメントは、効率化で削減できた経費の多くが成長促進のために再投資されることを示唆している」との指摘が出ていた。
(10-12月・第4四半期)
・1株利益(調整後):1.48ドル(予想:1.36ドル)
・経常収益:80.3億ドル(予想:78.7億ドル)
決済:72.8億ドル(予想:71.0億ドル)
・営業利益率(調整後):23.3%(予想:22.0%)
・アクティブ顧客アカウント数:4.26億件(予想:4.28億件)
・取扱件数:68億件(予想:66億件)
・総取扱高:4098.3億ドル(予想:4036億ドル)
(1-3月・第1四半期)
・1株利益(調整後):1桁台半ばの伸び
・経常収益:6.5~7.0%
(通期見通し)
・1株利益(調整後):5.10ドル(予想:5.49ドル)
・FCF:約50億ドル(予想:61.9億ドル)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美