伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 2月12日版

日経平均は明日下落すると、3万5500円以下へ下げる可能性が出てくる

1. 2月のNYダウは月足が陰線引けする展開になる可能性がある

図1は、 NYダウの過去の2月の値動きを示しています。NYダウの2月は陽線確率64.7％と、比較的上昇する傾向のある月です。

2月の月足が陽線引けした年の最安値をつけた日と営業日、下ヒゲの長さを見ると、だいたい月初からすぐに上昇するパターンと、月初に下げて押し目をつけた後、上昇を開始しているパターンの2通りになっています。

図1　NYダウの2月の値動き

実際のチャートで見ても、2月の月足が陽線引けする場合に多く見られるパターンは、（A）1月に押し目をつけて、1月からの上昇の流れを継続する格好で2月が上昇することで、月初から上げの流れを作る展開と、（B）1月末の下げを2月上旬まで継続して、2月に押し目をつけて再上昇を開始する展開が挙げられます。

一方で、価格が下げる場合、こちらも月初から下げている年が目立ちますが、上ヒゲの長い年が多く、月初めにいったん上昇して、上値を抑えられるパターンとなっていることがわかります。

本年2月のNYダウは、1月からの上昇の流れを継続する格好で、2月1日の安値3万8106ドルが現時点での2月の最安値となって下値堅く推移していますが、2月2日の高値3万8783ドルが抵抗になって、ここを超えられず、3万8106ドルから3万8783ドルの範囲内での動きとなっています。

過去の2月の動き方を考慮すると、目先の価格が3万8783ドルを超えると、その後も下値堅く推移して、2月の月足が陽線引けする展開になる可能性が大きくなります。

一方、3万8106ドルを割れると、2月の過去の値動きや、2月2日以降が上値、下値を切り下げるはっきりとした下げの流れを作ることなどから、本年2月が下値を試す流れを作り、陰線引けする展開になると考えられます。

図2は、NYダウの日足です。NYダウは2月2日に上値を抑えられた後、前週末まで5営業日、高値を更新できずに推移しています。

一定の流れができている場面では、その流れが継続している期間中に調整が入っても、たいていの場合、5営業日の範囲内で調整前の高値、安値を更新する動きが表れます。

前週に高値を更新できなかった動きを考慮すると、NYダウは1月18日以降の上昇の流れが終息していると推測できます。

だとすれば、目先は3万8783ドルを超えられずに上値を抑えられて下降する展開が有力だと考えられます。

また、目先の価格が3万8783ドルを超える動きとなっても、積極的に上げ幅を拡大する展開になりにくいと考えられます。

上値重い動きとなった時点で、弱気有利と判断できることから、今晩、NYダウが下げるなら、積極的な下げの流れになる公算です。

目先、NYダウが上げ幅の大きな動きになるとするなら、すでに上昇の勢いが終息しているので、3万8783ドルを超える場面で、再び上昇が勢いづいていることを示す動きになる必要があります。

その場合、今晩は寄り付き値が上放れた後、寄り付き後、すぐに上昇を開始して、大陽線をつける展開になる公算です。

図2　NYダウ（日足）