利上げシナリオもまだ完全に消えていないとの声も
きょうの1月の米消費者物価指数(CPI)は、コア指数が市場予想を上回る伸びとなり、ディスインフレへの道が険しいことを浮き彫りにした。この日の発表を受けて、市場は早期利下げ期待を大きく後退させ、米株式市場も為替市場、そして米国債市場も大きな反応を見せている。米株式市場ではダウ平均が一時500ドル超下落する場面が見られた。
本日の米CPIがFRBのタカ派姿勢を裏付けたことで、市場でも年内の利下げ期待に変化はないものの、利下げ開始は夏以降との見方が急浮上している。
「財・サービス全体のすべてが想定以上に加速している。FRBが利下げを巡って使ってきた表現の正しさが立証されたと感じるだろう。インフレ再加速を懸念する段階ではないが、インフレから抜け出した訳でもない」とのコメントも出ている。
また、一部からは「利上げのシナリオもまだ完全に消えていない」との指摘も出ている。「コア指数が前年比で再び3.9%となり、予想の3.7%に減速しなかったことを踏まえると、利下げ開始時期が疑問視されるだけではなく、今サイクルでの利上げが終わっていない可能性に扉を開くかもしれない」との声まで出ている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美