ナック---3Qは減収なるもクリクラ事業が増収・2ケタ増益に
ナック<9788>は9日、2024年3月期第3四半期(23年4月-12月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比2.9%減の397.35億円、営業利益が同3.4%減の14.75億円、経常利益が同0.4%増の15.46億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同2.0%減の8.24億円となった。
クリクラ事業の売上高は前年同期比4.6%増の115.67億円、営業利益は同14.6%増の13.57億円となった。直営部門は、宅配水「クリクラ」において、物価高騰による買い控えや大手企業の参入により前年同期と比較すると顧客件数が減少しているものの、解約率は改善傾向にある。加盟店部門では、前年同期と比較した顧客件数は減少しているものの、前年度に実施した値上げの影響でボトル売上が増加し、売上高は前年同期比で増加した。
レンタル事業の売上高は前年同期比2.9%減の132.81億円、営業利益は同14.4%減の12.96億円となった。主力のダスキン事業では、ダストコントロール部門において、物価高による家計の見直し等から解約率が増加し売上高が減少した。一方、ケアサービス部門、介護用品や福祉用具のレンタル・販売を行うヘルスレント部門において、引き続き事業数を増やしたことに加え、長引く暑さによるエアコン需要の高まりを受け、ケアサービス部門でのクリーニング受注が増加したこともあり、売上高は前年同期比で増加した。ウィズ事業では、主要顧客である飲食店への納品率が向上したことに加え、新規顧客獲得を目的とした販促活動の強化により、売上高は前年同期比で同水準(微増)となった。法人向け定期清掃サービスを提供するアーネスト社では、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行した影響で、前年度売上に貢献していた厚生労働省が実施する水際対策の支援事業の受注が減少し、売上高は前年同期比で大幅に減少した。なお、2023年6月に賃貸物件等の原状回復工事を中核事業とするキャンズ社を子会社化し、第2四半期連結累計期間より損益計上している。
建築コンサルティング事業の売上高は前年同期比8.8%減の40.44億円、営業損失は2.47億円(前年同期は0.48億円の損失)となった。コンサルティング部門では、長引く建築部資材の高騰やコロナ関連融資の返済開始により、引き続き顧客である地場工務店の経営改善に関する投資意欲は低下した。住宅ネットワーク事業(旧エースホーム社)では、上棟数の減少に伴う部材売上の減少や、コンサルティング部門と共同開発した補助金対象商品の審査期間に時間を要し、売上高は前年同期比で減少した。
住宅事業の売上高は前年同期比13.4%減の57.77億円、営業損失は2.25億円(前年同期は2.19億円の損失)となった。ケイディアイ社では、昨年からの土地価格や建築部材等の高騰による住宅価格の上昇が影響し、在庫の減少による販売戸数が伸び悩み売上高は前年同期比で減少した。ジェイウッド社では、建築部資材の上昇分を販売価格に転嫁したことによる1棟あたりの販売単価の上昇や販売用不動産の売上高増加があったものの、完工棟数が減少し、売上高は前年同期比で減少した。
美容・健康事業の売上高は前年同期比0.2%増の51.14億円、営業利益は143.7%増の3.05億円となった。化粧品・健康食品の通販を主力とするJIMOS社では、「SINN PURETE(シンピュルテ)」の伸長や、アフターコロナで美容液ファンデーションの需要が回復し、「MACCHIA LABEL(マキアレイベル)」での新規顧客獲得が順調に推移、原料資材高騰及び物流費用の上昇を商品価格に反映し各ブランドが値上げをしたことで、売上高は前年同期比で増加した。栄養補助食品の販売を手掛けるベルエアー社では、会員数減少により売上高は前年同期比で減少した。化粧品・健康食品・医薬品等の通販を行うアップセール社では、EC販売の価格競争が激化したことによる販売量の減少、医薬品販売の新規顧客獲得効率の悪化により売上高は前年同期比で減少した。化粧品受託製造を主力とするトレミー社では、化粧品市場の回復に伴う既存顧客からの受注増加に加え、大手販売先からの新規受注やインバウンド需要による受注があり、売上高は前年同期比で大幅に増加した。
2024年3月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比5.1%増の600.00億円、営業利益が同8.3%増の35.00億円、経常利益が同7.9%増の35.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同9.9%増の22.00億円とする期初計画を据え置いている。
《SI》