トランプ氏に3億6400万ドルの支払い命令 NY民事裁判
トランプ氏と同氏の不動産会社がNYの民事詐欺訴訟で大敗北を喫した。裁判官は前大統領が同州で事業を営むことを3年間禁止し、3億6400万ドルの違法利益の返還を命じている。
エンゴロン判事によって下されたこの判決は、ホワイトハウスへの復帰を目指す同氏にとって法的後退となる。2人の長男、ドナルド・トランプ・ジュニア氏とエリック・トランプ氏も責任を問われ、2年間ニューヨークの会社の役員になることを禁じられた。
エンゴロン判事の判決は、2022年に訴訟を起こしたジェームズNY州司法長官にとって大きな勝利となる。3カ月以上に及んだ裁判で同長官は、トランプ氏が10年以上に渡ってドイツ銀行や他の金融業者を騙して、融資条件を数億ドルの良くするために毎年の財務書類の資産価値を膨らませたと主張した。
「より多く、より低い金利で借りるために会計士にあからさまな虚偽の財務データを提出し、その結果、不正な財務諸表を作成した」とエンゴロン判事は判決理由で述べている。責任を認めず、将来の再発を防止するための内部統制も実施しなかったという。
トランプ氏が控訴するのは確実で、最終的な解決は11月の大統領選以降に引き延ばされる可能性があるが、控訴したとしても、損害賠償の大部分をエスクローまたは保証金という形で支払う必要がある。