話題株ピックアップ【昼刊】:菱鉛筆、三井住友建設、SBG

注目
2024年2月19日 11時37分

■スノーピーク <7816>  988円  +150 円 (+17.9%) ストップ高買い気配   11:30現在  東証プライム 上昇率トップ

スノーピーク<7816>が寄り付き大量の買い注文に値が付かず、気配値のまま株価水準を切り上げる展開となっている。同社はキャンプなどアウトドア商品の販売を行い高級品の取り扱いで強みを持つ。日本経済新聞が17日に、同社が米投資ファンドのベインキャピタルと組んでTOBを実施し、MBOによる株式非公開化を行う方針を固めたと報道、これが株価を強く刺激する格好となっている。これに対して会社側は、検討は事実だが現時点において決定した事実はないとのコメントを出しているが、マーケットではTOB価格へのサヤ寄せなど株高思惑が先走る形で投資マネーが集中している。

■三菱鉛筆 <7976>  2,455円  +371 円 (+17.8%)  11:30現在  東証プライム 上昇率2位

三菱鉛筆<7976>が大幅高で4連騰。2019年2月以来の高値圏で推移している。前週末16日の取引終了後、23年12月期の連結決算発表にあわせ、24年12月期の業績予想を開示した。今期の経常利益予想は前期比0.9%増の130億円と、前期に続き過去最高の更新を見込む。また、前期の期末配当についての予想から2円増額したうえで、今期の年間配当予想を同2円増配の42円に設定しており、ポジティブ視されたようだ。今期の売上高予想は同4.3%増の780億円、営業利益予想は同5.5%増の125億円とした。ともにこれまでの中期経営計画の数値目標を上回る。筆記具事業では海外の販売体制を強化しシェア拡大を目指す。23年12月期の売上高は前の期比8.4%増の748億100万円、経常利益は同27.3%増の128億8900万円だった。同時に菱鉛筆は、自己表現領域に特化した活動の支援に向けた財団の設立に伴い自己株式160万株を処分すると発表。更に、自己株式160万株を5月15日に消却すると公表している。

■三井住友建設 <1821>  444円  +40 円 (+9.9%)  11:30現在  東証プライム 上昇率7位

三井住友建設<1821>が続急騰し昨年来高値を更新した。前週末16日の取引終了後、旧村上ファンド系の南青山不動産(東京都渋谷区)が三井住友建設の株式を買い増していたことが明らかとなり、思惑視した買いを誘ったようだ。同日付で財務省に提出された変更報告書によると、南青山不動産と共同保有者の保有比率は11.29%から12.54%に上昇した。報告義務発生日は2月8日。保有目的は「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」としている。

■サカタのタネ <1377>  3,820円  +305 円 (+8.7%)  11:30現在

サカタのタネ<1377>が続急伸している。前週末16日の取引終了後、24年5月期の連結業績予想について、純利益を80億円から155億円(前期比63.3%増)へ上方修正したことが好感されている。同時に横浜市神奈川区の遊休資産を売却すると発表しており、固定資産売却益123億8400万円を特別利益として計上することなどが要因としている。なお、売上高840億円(同8.7%増)、営業利益110億円(同0.7%増)の従来見通しを据え置いている。あわせて上限を50万株(発行済み株数の1.13%)、または20億円を上限とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視されているようだ。取得期間は2月19日から5月31日までで、株主還元及び資本効率の向上と経営環境に応じた機動的な資本政策を遂行するためとしている。

■LITALICO <7366>  2,135円  +43 円 (+2.1%)  11:30現在

LITALICO<7366>が続伸している。午前10時ごろ、「LITALICO教育ソフト」が静岡県伊豆の国市にトライアル導入されたと発表しており、好材料視されている。「LITALICO教育ソフト」は、学校現場の特別支援教育を支えるICTサービス。現在、トライアルを含めて全国約120自治体、約850校で採用されており、今後も個別最適な教育環境の実現と教職員の負担軽減に向けてサービス開発を行うとしている。

■ソフトバンクグループ <9984>  8,429円  +114 円 (+1.4%)  11:30現在

ソフトバンクグループ<9984>は強弱観対立も買い優勢の展開。前週13日にザラ場8873円まで駆け上がり、21年5月以来約2年9カ月ぶりの高値圏に浮上したが、その後は利益確定売りで調整局面に移行し急勾配の5日移動平均線との上方カイ離を埋めた。同移動平均線近辺で売り物をこなし切れるかどうかが目先の焦点となる。株式市場では日米ともに生成AIと先端半導体周辺の銘柄に投資資金の流入が顕著となっている。そのなか、英アーム・ホールディングス<ARM>を傘下に置きAI分野に傾注するソフトバンクGが存在感を高めている。AI用半導体への展開など同社の次の一手に注目が集まっている。

■三菱UFJ <8306>  1,461円  +19 円 (+1.3%)  11:30現在

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクが堅調な値動きをみせているほか、第一生命ホールディングス<8750>、T&Dホールディングス<8795>など生保株も買われる展開。前週末の米国では1月の生産者物価指数(PPI)が事前コンセンサスを上回り、FRBの早期利下げ期待が剥落し、米10年債利回りが上昇傾向を示した。米国事業を展開する大手の銀行・生保には追い風となっている。また、国内でも新発10年債利回りが0.7%台で定着しており、運用環境改善に向けた期待感が漂う。三菱UFJは新NISAの成長投資枠で人気上位の銘柄でもあり、日銀のマイナス金利解除に向けた思惑を背景に根強い買いが続いている。

■東京海上 <8766>  4,482円  +21 円 (+0.5%)  11:30現在

東京海上ホールディングス<8766>が3日続伸している。前週末16日の取引終了後、自社株2450万株(発行済み株数の1.22%)を3月29日付で消却すると発表しており、好感されている。なお、消却後の発行済み株数は19億7800万株となる予定だ。

■日本CMK <6958>  617円  -132 円 (-17.6%) 一時ストップ安   11:30現在  東証プライム 下落率トップ

日本CMK<6958>が急落、一時ストップ安。前週末16日の取引終了後、公募増資と自己株式処分による売り出しの実施を発表した。1株利益の希薄化と株式の需給悪化を警戒した売りが膨らんだようだ。同社は新たに657万7000株を発行するほか、自己株式386万3000株の売り出しと、需給状況に応じた上限156万株のオーバーアロットメントによる売り出しを行う予定。発行価格は2月26日から28日までのいずれかの日に決める。発行済み株式総数は最大で約12.9%増加する見込み。手取り概算で最大87億1360万円を調達し、タイの連結子会社の工場新設の設備投資資金や、グループの事業拡大に伴う運転資金の一部に充当する。

■JTOWER <4485>  5,140円  -380 円 (-6.9%)  11:30現在

JTOWER<4485>は急反落。前週末16日の取引終了後、海外募集による360万株の新株発行を実施すると発表。株式需給の悪化を懸念した売りが出ている。発行価格は4973円。調達資金約170億円(手取り概算額)は、インフラシェアリング事業の更なる拡大に向けた成長資金や鉄塔カーブアウトのために設立された子会社への出資、借入金の一部返済に充てる。

■任天堂 <7974>  8,287円  -587 円 (-6.6%)  11:30現在  東証プライム 下落率5位

任天堂<7974>が大幅続落している。米ブルームバーグ通信が17日、任天堂について「今年後半に予定していた次世代ゲーム機の発売時期を、25年1~3月期に延期する旨をゲーム開発会社に通達した」と報じた。複数の事情に詳しい関係者が匿名を条件に明らかにしたという。報道通りとなれば年末商戦には間に合わないこととなるため、来期の業績へのポジティブな影響を期待した投資家の売りを促す形となったようだ。発売時期を巡っては、ビデオゲームズクロニクルが先に報じたとしている。

■アドバンテスト <6857>  6,745円  -275 円 (-3.9%)  11:30現在

アドバンテスト<6857>が続落、7000円台を割り込んで推移している。前週末の米国株市場ではアプライド・マテリアルズ<AMAT>は好決算評価で大幅高を演じたものの、エヌビディア<NVDA>やインテル<INTC>、マイクロンテクノロジー<MU>、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>などその他の半導体関連は総じて軟調な値動きとなった。今週21日に発表されるエヌビディアの決算にマーケットの関心が集まっており、半導体関連銘柄へ与える影響も大きいとみられている。エヌビディアは好決算発表でも目先出尽くし感から売られる可能性も指摘され、足もとでやや慎重なムードも漂う。そうしたなか、東京市場ではエヌビディアのGPU向けテスターで高シェアを誇るアドテストが関連最右翼銘柄に位置づけられていることもあり、機関投資家の持ち高調整とみられる売りが優勢となっている。

■AppBank <6177>  125円  +30 円 (+31.6%) ストップ高   11:30現在

AppBank<6177>がストップ高の水準となる前営業日比30円高の125円に買われた。前週末16日の取引終了後、広告代理業を中心とした企業グループの持ち株会社であるPLANA(福岡市博多区)との資本・業務提携の締結を発表。あわせて同社を割当予定先とする第三者割当増資などを開示した。経営再建の進展を期待した買いを集めたようだ。通販専門の代理店などを展開するPLANAは、全国各地の地方テレビ局などのネットワークを持つ。アップバンクはメディア事業やストア事業での協業を進める方針。第三者割当増資とともに、PLANAやマイルストーン・キャピタル・マネジメント(東京都千代田区)などを割当先とする新株予約権も発行する予定。手取り概算で約8億4651万円を調達し、ストア事業での新規出店費用や広告代理店事業の運転資金などに充当する。

■セック <3741>  5,490円  +700 円 (+14.6%) ストップ高   11:30現在  東証プライム 上昇率3位

セック<3741>がストップ高の水準となる前営業日比700円高の5490円に買われた。リアルタイムソフトウェアを手掛ける同社は宇宙分野での開発案件にも携わる。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は17日、次世代ロケットのH3ロケット試験機2号機を打ち上げ、所定の軌道に投入したと発表した。H3の打ち上げ成功は初となる。これを受け、株式市場では宇宙関連銘柄にご祝儀買いが入った。三菱重工業<7011>が一時4%を超す上昇。キヤノン電子<7739>やRidge-i<5572>、松尾電機<6969>、櫻護謨<5189>が大幅高となった。一方、QPS研究所<5595>は朝高後に利益確定売りに押されて下げに沈んだ。

■データセクション <3905>  767円  +84 円 (+12.3%)  11:30現在

データセクション<3905>は大幅高。東京証券取引所が19日から、同社株の信用取引に関する規制を解除すると発表。短期資金の流入が活発化するとの思惑が働いているようだ。日本証券金融も同日付で増担保金徴収措置を解除すると発表した。

●ストップ高銘柄

アースインフィニティ <7692>  120円  +30 円 (+33.3%) ストップ高買い気配   11:30現在

フォーサイド <2330>  244円  +50 円 (+25.8%) ストップ高   11:30現在

SOLIZE <5871>  3,880円  +700 円 (+22.0%) ストップ高   11:30現在

デジタリフト <9244>  1,103円  +150 円 (+15.7%) ストップ高   11:30現在

放電精密加工研究所 <6469>  1,108円  +150 円 (+15.7%) ストップ高買い気配   11:30現在

など、9銘柄

●ストップ安銘柄

なし

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