これまでの利下げ期待が混迷 利上げが必要なのではとの議論も
先週の米インフレ指標を受けて、市場は利下げ期待を後退させている。早期利下げ期待はもちろん、年内は累計で1%ポイントを下回る利下げに留まると見ている状況。従来は計1.50%の利上げも期待されていた。3月はもちろん、5月も無さそうだとの見方になり、6月利下げの確信も揺らいでいる状況。
僅か数週間で見方が様変わりしているが、一部からは利上げが必要になるのではないかとの議論すら浮上している。サマーズ元米財務長官は先週、「次の動きが利上げになる可能性はそれなりにある」と発言した。
利上げ再開が難しいとしても、FRBウォッチャーの間には、1990年代後半のように利下げを短期間実施し、その後に利上げに転じるという見方も出ている。
今年の利下げ幅を0.75%ポイントと見ているが、それを確度が高いと言うのは非常に難しいとの指摘も出ている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美