26日の米国市場ダイジェスト:NYダウは62ドル安、長期金利上昇を警戒
■NY株式:NYダウは62ドル安、長期金利上昇を警戒
米国株式市場は下落。ダウ平均は62.30ドル安の39,069.23ドル、ナスダックは20.57ポイント安の15,976.25で取引を終了した。
先週の相場の流れを継いで半導体セクターへの期待に買われ、寄り付き後、上昇。その後、過去最高値付近からの利益確定売り意欲も強く、ダウは下落に転じた。ナスダックも長期金利の上昇に連れ失速し、プラス圏を維持できず下落で終了。セクター別では自動車・自動車部品や不動産管理・開発が上昇した一方で、メディア・娯楽が下落した。
ディスカウント小売のウォルマート(WMT)は1株を3株にする株式分割を実施すると発表し、上昇。また、クラウド型ソフトウエア会社のセールスフォース(CRM)はアナリストの目標株価引き上げで上昇した。また、半導体メーカーのマイクロン・テクノロジー(MU)はエヌビディア(NVDA)の人工知能(AI)向け半導体に使用する高性能メモリー「HBM3E」の量産を開始すると発表し、上昇。宅配ピザ会社のドミノ・ピザ(DPZ)は第4四半期の既存店売上が予想を上回ったほか、増配や追加自社株買いが好感され、上昇した。
検索会社グーグルを運営するアルファベット(GOOG)はグーグルのAI言語モデル「Gemini」における情報源の信頼性に懐疑的見方が広がったほか、生成AIを巡る検索事業へのリスクに懸念が広がり、大きく売られた。スーパーマーケットを運営するクローガー(KR)は連邦取引委員会(FTC)が同社の同業アルバートソンズ(ACI)買収阻止するため連邦裁判所に提訴したことが嫌気され、下落。アルバートソンズ(ACI)は小幅高。著名投資家バフェット氏が運営する保険のバークシャー・ハサウエイ(BRK)は第4四半期決算で営業利益増加を好感した買いに上昇で始まったが、その後売りに転じた。
オンライン会議プラットフォームを提供するズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)は取引終了後に四半期決算を発表。1株利益見通しが予想を上回ったほか、自社株買い計画が好感され、買われている。
■NY為替:米長期金利上昇でドル売り一服
26日のニューヨーク外為市場でドル・円は150円53銭から150円84銭まで上昇し、150円69銭で引けた。米1月新築住宅販売件数の増加や2月ダラス連銀製造業活動指数が予想を上回ったほか、米財務省が実施した2年債、5年債入札結果が不調で長期金利上昇に伴うドル買いが優勢となった。
ユーロ・ドルは1.0859ドルまで上昇後、1.0839ドルまで反落し、1.0851ドルで引けた。ギリシャ中銀総裁が早期の利下げに慎重な姿勢を示したほか、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁もディスインフレを予想するが、インフレが2%達成する証拠が必要と慎重姿勢を示したためユーロ買いが優勢となった。ユーロ・円は、163円36銭から163円72銭まで上昇。日欧金利差拡大観測に伴う円売り、ユーロ買いが優勢となった。ポンド・ドルは1.2609ドルへ上昇後、1.2671ドルまで反落。ドル・スイスは0.8791フランへ下落後、0.8814フランまで上昇した。
■NY原油:反発で77.58ドル、中東情勢の悪化を警戒した買いが強まる
NY原油先物4月限は反発(NYMEX原油4月限終値:77.58 ↑1.09)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は、前営業日比+1.09ドルの77.58ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは75.84ドル-78.03ドル。ロンドン市場の序盤にかけて75.84ドルまで売られたが、中東情勢の悪化を警戒した買いが強まり、米国市場の後半にかけて78.03ドルまで反発。通常取引終了後の時間外取引では主に77ドル台で推移。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 33.61ドル -0.31ドル(-0.91%)
モルガン・スタンレー(MS) 85.67ドル -0.88ドル(-1.01%)
ゴールドマン・サックス(GS)390.22ドル -0.83ドル(-0.21%)
インテル(INTC) 42.99ドル 0.00ドル(0.00%)
アップル(AAPL) 181.16ドル -1.36ドル(-0.74%)
アルファベット(GOOG) 138.75ドル -6.54ドル(-4.50%)
メタ(META) 481.74ドル -2.29ドル(-0.47%)
キャタピラー(CAT) 325.38ドル +1.50ドル(+0.46%)
アルコア(AA) 25.34ドル -1.18ドル(-4.44%)
ウォルマート(WMT) 59.60ドル +1.08 ドル(+1.85%)
《ST》