前場に注目すべき3つのポイント~配当志向の物色やバリュー株にシフトも~
27日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■配当志向の物色やバリュー株にシフトも
■サンテック、24/3黒字修正 純利益 2.6億円←▲0.3億円
■前場の注目材料:日産自、生成AI導入、社内業務を効率化
■配当志向の物色やバリュー株にシフトも
27日の日本株市場は、買い先行で始まった後は、こう着感の強い相場展開になりそうだ。26日の米国市場は、NYダウが62ドル安、ナスダックは20ポイント安だった。先週の相場の流れを継いで半導体セクターへの期待から買い先行で始まった。ただし、その後は過去最高値付近からの利益確定売り意欲も強く、主要な株価指数は下落に転じた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比110円高の39340円、円相場は1ドル150円60銭台で推移している。
日経平均株価はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買いが先行する格好になりそうだ。マイクロン・テクノロジーがAI向け半導体に使用する高性能メモリー「HBM3E」の量産を開始すると発表し4%を超える上昇となったほか、エヌビディアなど半導体株の一角が買われ、SOX指数は1%を超える上昇だった。前日に利食いに押された東エレクなどハイテク株の一角が買い戻され、相場を支える流れが期待されそうだ。ただし、エヌビディアは足もとで高止まりを見せていることもあり、先駆したハイテク株には、いったん利益を確定させる動きもあるだろう。
そのため、ハイテク株の底堅さは意識されるものの、実質3月相場入りとなるなか、配当志向の物色やバリュー株にシフトしてくる可能性はありそうだ。今週は米国で1月の個人消費支出(PCE)物価指数の発表が予定されている。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ時期を探るなか、結果を見極めたいところである。利下げ時期の先延ばしとの見方が強まるようだと、米長期金利が上昇し、ハイテク株などへの持ち高調整につながることも考えられ、高値圏で推移するハイテク株は利食いが入りやすい。
ただし、AI関連への物色は根強く、押し目待ち狙いの買い意欲の強さが意識されている。そのため、調整を狙った売り仕掛け的なトレードについては、あくまでも短期割り切りのスタンスである。昨日の日経平均株価は上向きで推移するボリンジャーバンドの+2σ水準での推移だった。+2σを上回っての推移をみせてくるようだと、押し目待ち狙いの買い方にとっては、エントリータイミングを引き上げてくる可能性がありそうだ。
■サンテック、24/3黒字修正 純利益 2.6億円←▲0.3億円
サンテック<1960>は2024年3月期業績予想の修正を発表。純損益は0.3億円の赤字から2.6憶円の黒字に上方修正した。保有する投資有価証券を売却したことにより、特別利益(投資有価証券売却益)を計上したため、当期純利益が計画を上回る見通しとなった。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(39233.71、+135.03)
・1ドル=150.60-70円
・シカゴ日経先物は上昇(39340、大阪比+110)
・SOX指数は上昇(4663.47、+48.43)
・VIX指数は低下(13.74、-0.01)
・米原油先物は上昇(77.58、+1.09)
・3月期末接近に伴う高配当銘柄人気
・米国のインフレ沈静化観測
・日産自<7201>生成AI導入、社内業務を効率化
・楽天G<4755>全社員にAI研修、技術革新を生み出す
・オムロン<6645>国内外2000人削減、半導体など市況悪化響く
・SUBARU<7270>群馬の3工場が操業再開、労災事故で生産停止
・三菱商事<8058>メキシコ塩田事業売却、塩購入・供給は継続
・イオン<8267>丸紅と、提携拡充、DX・GXで事業価値向上
・神戸製鋼所<5406>中国宝武系と年内に合弁、アルミパネル事業拡大
・関西ペイント<4613>三井物産と、オーストリア塗料社に増資、独社買収資金に
・岡谷鋼機<7485>帯鋸刃のひび音をAI検知、交換タイミング判断容易に
・住友重<6302>AMR向け減速機一体機構を拡販、ドライバー体積8割減
・マルゼン<5982>業務用スチーム拡充、6・10枚皿型2機種追加
・ローム<6963>台湾デルタ電子にGaNパワー半導体供給
・NEC<6701>三井住友銀と協業、CO2排出量を可視化
・東北電力<9506>再生エネ強化、企業向け専門組織新設
・中国電力<9504>汚水浄化、水洗に再利用、独立型循環トイレ発売
・三井住友建設<1821>PPA向け水上太陽光発電、大阪・泉佐野市で稼働
・日揮HD<1963>マレーシアのCCS、中国電などと共同検討参加
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:30 1月全国消費者物価指数(生鮮食品除く)(前年比予想:+1.9%)
<海外>
・特になし
《ST》