28日の米国市場ダイジェスト:NYダウは23ドル安、重要インフレ指標控えた調整
■NY株式:NYダウは23ドル安、重要インフレ指標控えた調整
米国株式市場は下落。ダウ平均は23.39ドル安の38,949.02ドル、ナスダックは87.56ポイント安の15,947.74で取引を終了した。
10-12月期国内総生産(GDP)改定値が予想外に下方修正され景気への楽観的見方が後退し、寄り付き後、下落。同時に、長期金利の低下が安心感につながり下値を支えた。終日軟調に推移も、重要インフレ指標の発表を明日に控えた調整で終盤にかけた買戻しに下げ幅を縮小し、終了。セクター別では不動産、自動車・自動車部品が上昇した一方で、半導体・同製造装置が下落した。
ディスカウント衣料品小売りのTJX(TJX)は四半期決算で強い売り上げが弱い見通しを相殺したほか、増配が好感され、上昇。オンライン旅行社のブッキング・ホールディングス(BKNG)はアナリストの目標株価引き上げで上昇。不動産・融資会社のレンディングツリー(TREE)は第4四半期決算で、予想外の黒字を計上し、上昇した。代替肉メーカーのビヨンドミート(BYND)は第4四半期決算で売上高が予想を上回ったほか大幅コスト削減計画が好感され、さらに、空売り投資家のショートカバーを巻き込み、上昇。
管理医療会社のユナイテッドヘルス(UNH)は、司法省が反トラストで調査に乗り出したとの報道を警戒し、下落。また、ビールメーカーのボストン・ビア(SAM)は第4四半期決算で予想を上回る損失を発表したほか、最高経営責任者(CEO)の退任が発表され、売られた。バイオのノババックス(NVAX)は第4四半期決算の内容が予想を下回り、下落。
ソフトウエア・ソリューション会社のスノーフレーク(SNOW)は取引終了後に四半期決算を発表。見通しが予想を下回ったほか、CEOが退任を発表し、時間外取引で売られている。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:FRB高官が辛抱強い政策に支持表明、ドル続伸
28日のニューヨーク外為市場でドル・円は150円53銭へ下落後、150円85銭まで上昇し、150円69銭で引けた。米10-12月期国内総生産(GDP)改定値が予想外に下方修正されたため成長減速の思惑に長期金利低下に伴いドル売りが優勢となった。しかし、連邦準備制度理事会(FRB)高官が利下げに慎重な姿勢を再表明したほか、1月コアPCE価格指数の発表を控えドルの買戻しが強まった。
ユーロ・ドルは1.0806ドルから1.0846ドルまで上昇し、1.0838ドルで引けた。ユーロ圏2月景況感指数が予想外に悪化したものの、カジミール・スロバキア中銀総裁やカザークス・ラトビア中銀総裁が時期尚早の利下げに否定的な見解を示したため欧州中央銀行(ECB)の早期利下げ観測後退で、ユーロの買戻しが強まった。ユーロ・円は、162円84銭から163円41銭まで上昇。日欧金利差拡大観測に伴う円売り、ユーロ買いが優勢となった。ポンド・ドルは1.2630ドルから1.2674ドルまで上昇した。ドル・スイスは0.8810フランから0.8784フランまで下落した。
■NY原油:弱含みで78.54ドル、利食い売りが強まる
NY原油先物4月限は弱含み(NYMEX原油4月限終値:78.54 ↓0.33)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は、前営業日比-0.33ドルの78.54ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは77.78ドル-79.62ドル。ロンドン市場で77.78ドルまで売られたが、需要増大への思惑が再び強まり、米国市場の後半にかけて79.62ドルまで買われた。ただ、80ドル手前で利食い売りが強まり、通常取引終了後の時間外取引では主に78ドル台で推移。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 34.31ドル +0.03ドル(+0.08%)
モルガン・スタンレー(MS) 86.05ドル +0.56ドル(+0.65%)
ゴールドマン・サックス(GS)393.18ドル +2.37ドル(+0.60%)
インテル(INTC) 41.99ドル -0.74ドル(-1.73%)
アップル(AAPL) 181.42ドル -1.21ドル(-0.66%)
アルファベット(GOOG) 137.43ドル -2.67ドル(-1.90%)
メタ(META) 484.02ドル -3.03ドル(-0.62%)
キャタピラー(CAT) 329.56ドル +1.93ドル(+0.58%)
アルコア(AA) 26.32ドル -0.38ドル(-1.42%)
ウォルマート(WMT) 59.62ドル +0.03ドル(+0.05%)
《ST》