29日の株式相場見通し=続落か、米物価指標発表を前に買い手控え
29日の東京株式市場は様子見ムードのなか、日経平均株価は続落しそうだ。3万9000円大台攻防となる可能性がある。前日の欧州株市場は主要国の株価指数が高安まちまちも独DAXは6連騰となり史上最高値を連日で更新したほか、仏CAC40も小幅ながら続伸した。ただ、米国株市場は冴えない展開でNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに終始マイナス圏で推移するなど買いが手控えられた。29日発表予定の物価指標でFRBが重視する1月のPCEデフレーターを見極めたいとの思惑が強く、持ち高調整の売りが上値を押さえる形となっている。先日発表された1月の米消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)がコンセンサスを上回る強い内容であっただけに、今回も予想を上振れすることへの警戒感が強い。これを受けて、東京市場でも目先買いポジションを低める動きが優勢となりそうだ。日経平均株価は前日に4日ぶりに反落したものの下げ幅は30円あまりとわずかで、目先過熱感は拭えていない。また、きょうは月末で機関投資家のリバランスの売り圧力も意識されやすい。一方、月初高のアノマリーを念頭に下押す場面では押し目買いの動きが想定され、下げ幅は限定的なものにとどまる可能性もある。
28日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比23ドル39セント安の3万8949ドル02セントと3日続落。ナスダック総合株価指数は同87.562ポイント安の1万5947.738だった。
日程面では、きょうは1月の鉱工業生産指数速報値、1月の商業動態統計、1月の住宅着工統計のほか、日銀が「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」を発表する。海外では1月の豪小売売上高、インドの10~12月期GDP、2月の独失業率、2月の独消費者物価指数(CPI)速報値、1月の米個人所得・個人消費支出・PCEデフレーター、2月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)、1月の米仮契約住宅販売指数など。