日経平均は4万6000円台へ、ほぼ負け知らずの億り人が見るワケ
すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 なつみ そらさんの場合-第1回
日経平均株価などの株価指数や外国為替を対象とするCFD(差金決済取引)のほか、日本株の個別銘柄を手掛ける専業トレーダー。有名難関私立高校から大学進学の後、塾講師のアルバイトの延長で始めた講師業が波に乗り、大学を中退しビジネスに専念する。その後、仲間の誘いにのって始めたのをきっかけに、投資の世界にのめり込み、現在に至る。
当初はFXでイタい損を食らうも、その失敗や病の苦境をバネに価格の節目を見ながらトレードする自己流ロジックを見出す。以降はほぼ負けなしで、現在は億トレとして資産拡大中だ。「株探アンケート~24年の日本株戦略」の回答者で、投資スタイルは「テクニカル・需給重視」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。
今回登場するなつみ そらさん(ハンドルネーム、以下、そらさん)は、2004年に投資を始めてから、年間成績ではほぼ負けなしで億り人となったすご腕さんだ。
勝ち続ける理由は主に2つ。1つは自分に腹落ちした勝ち技を開拓し、もう1つは「いける」と思うタイミングでしか勝負をしないことだ。
投資対象はFXを含めたCFD(差金決済取引)や先物取引などのバレッジをかけた短期取引を中核に個別株取引も加えており、2020年には累積リターンが1億円を突破している。
次の節目は日経平均4万6875円、ドル円162.5円
そんなそらさんは、先日、史上最高値を更新した日経平均株価はまだ上値余地は大きく、かつドル円もさらなる円安の進行があり得るとし、「日経平均は4万6875円、ドル円相場は1ドル162.5円を目指す過程にある」と見る。
その根拠とするのが、そらさんが仲間と開発した「値動きの原則」だ。「今の価格をもとにトレンドを見極め、次の価格を予想する」ものになる。自身を億達成に導き、今後の日経平均は4万6000円台もあると見るロジックについて見ていこう。
前日比2.1%の上昇となった2月8日は、朝から買い目線
そらさんが日々実践するのは、株価や為替の価格が重要な節目を上抜いて、上昇の勢いが増したところに乗るやり方だ。
前日比2.1%の上昇となった今年2月8日の日経平均の動きを例にすると、前日の米国株が上昇で終わったことを確認した本人は、日経平均を対象にするCFDでは取引開始前から強気の姿勢で臨むことを決めていた。
その方針は吉と出て、8日の日経平均は朝の寄り付き、3万6250円台から高値の3万6957円まで約2%、価格で見ると700円ほどの上昇を見せた。
普段はCFDでデイトレードを仕掛けるそらさんは、この時もレバを効かせて攻めていく。10時半ごろから前場が引ける1時間の中で、約375円分の上昇幅をさらった。
■日経平均株価の日足チャート(2023年12月29日~)
注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同
自己流理論で買いシグナルが点灯
上昇目線で参戦できたのは、冒頭に触れた仲間と編み出したロジックで、買いシグナルが灯っていたからだ。株価チャートの月足と週足の長期および中期で上昇トレンドにあると判断できたのだ。
後述するように、そらさんはチャートを独自の値幅で5つに価格帯を分類して、現値がどの価格帯にあるのかで、株価の方向感を判断し、取引している。この日は、日足においても、目安とする節目を抜き、短期でも上昇トレンドに入っていた。
加えて8日木曜日は、先物の日経225miniと、オプションの2月限SQ(特別清算指数)を算出するマイナーSQの1日前だった。これらの売買の最終日となることで、上昇に一層弾みがつきやすいとも考えていた。
そらさんは、こうしたロジックを基にFXや日経平均などのCFDを短期売買してリターンを積み重ねていく手法を中核にしている。平均すると、月100万円の利益を得ているという。
ロジックを正しく使うための3カ条
安定かつ継続的な利益を得るために、こだわるのは、自分のトレードをビジネスと捉え、行動をできるだけパターン化させることだ。具体的には
1. 決めたロジックに基づき売買を行う
2. 決めた値幅を目標にして利益を得る
3. 決めた時間帯に取引する
――という取り組みだ。
1については、「株価や価格が重要な節目を上抜けるかどうか」を判断材料の鉄則とする。利確のポイントも、やはり定めた節目が標的だ。このパターンに従い売買し、値ごろ感など、根拠のない感覚任せのトレードはしない。
2の値幅の目標については、日経平均のCFDなら「1週間で500円、平均して1日当たり100円」とし、欲張らず、確実に目標を達成するのを第一とする。
なお、ドル円のFXでは「1カ月で200ピップス、1回のトレードでは25ピップス」の値幅を狙う。ピップスとはFXで使う通貨の共通単位のことで、ドル円の場合は1ピップが1銭に相当する。
3のトレード時間を決めるのは、価格が大きく動きやすい時間に自分の力を集中させ、効率化を図るためだ。
日経平均のCFDでは、日本と米国のマーケット開始後2時間を狙って参戦する。具体的には朝9時から11時過ぎ、そして夜の11時半(サマータイムは10時半)から翌1時過ぎまでだ。ドル円の場合も、日米欧の開始後2~3時間が、そらさんのビジネスタイムとなる。
■そらさんのメインのトレード時間
対象 | 取引時間帯 |
日経平均 | 午前9~午前11時ころ |
午後11時半~午前1時半ころ | |
FX | 午前8時~午前11時 |
午後5時~午後8時 | |
午後10時~午前1時 |
累積リターン1億円超の原動力となった「値動きの原則」とは
では、累積リターン1億円超を達成した、「値動きの原則」とはどのようなものなのか。
このロジックによると、株価が今の上昇トレンドを維持できれば、次の大きな目標になる日経平均4万6875円達成も夢ではないという。
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