話題株ピックアップ【夕刊】(2):塩野義、ノリタケ、KeePer
■塩野義製薬 <4507> 7,718円 +107 円 (+1.4%) 本日終値
塩野義製薬<4507>が7日続伸で新値追い。同社はきょう、長崎大学とのマラリアを中心とした感染症分野における包括的連携の第2期事業を開始すると発表しており、新たな買い手掛かりとなったようだ。第1期(19年2月~24年3月)では、国立感染症研究所など7つの機関と強固に連携しながらマラリアの予防及び治療に関する研究を進展させ、マラリアの創薬研究基盤を構築。第2期では第1期の成果を踏まえ、候補品を早期に開発ステージへ移行させるとともに、更なる潜在的なニーズを満たす新たな創薬研究にも取り組むとしている。
■ノリタケ <5331> 8,340円 +40 円 (+0.5%) 本日終値
ノリタケカンパニーリミテド<5331>が3日ぶりに反発。岩井コスモ証券は1日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに、目標株価を7800円から9650円に引き上げた。同社は世界最大級の陶磁器・砥石メーカーで、セラミック原料や電子材料、リチウムイオン電池(LiB)用焼成炉などに展開している。第3四半期(23年4~12月)の連結営業利益は前年同期比15.8%増の80億5200万円と堅調。電子部品材料などが回復した。24年3月期の同利益は前期比11.5%増の100億円が予想されているが、第3四半期時点での進捗率は80.5%に達しており、同証券では105億円への増額を予想。同社の中期経営計画ではLiB用焼成炉や積層セラミックコンデンサー(MLCC)向け電子材料などの拡販に注力する姿勢を示していることも評価している。
■KeePer技研 <6036> 5,390円 -940 円 (-14.9%) 本日終値 東証プライム 下落率トップ
KeePer技研<6036>が大幅安。前週末1日取引終了後にキーパーラボ運営事業の2月度の月次売上高を発表し、既存店売上高は前年同月比11.9%減だった。これまで前年比プラスが続いていただけに、マイナスとなったことを失望した売りが出た。既存店ベースの来店台数は同24.1%減、平均単価は16.1%増だった。また、全店売上高は同1.8%減だった。
■DyDo <2590> 2,824円 -286 円 (-9.2%) 本日終値 東証プライム 下落率3位
ダイドーグループホールディングス<2590>が3日続落。前週末1日の取引終了後に発表した24年1月期連結決算は、売上高2133億7000万円(前の期比33.2%増)、営業利益37億3200万円(同5.3倍)、純利益44億2300万円(前の期5億700万円の赤字)となったが、11~1月期では営業赤字幅が拡大しており、これを嫌気した売りが出たようだ。主力の国内飲料事業で子会社ダイドードリンコとアサヒ飲料との自動販売機事業に関する包括的業務提携により、23年1月にダイナミックベンディングネットワークを設立した子会社増加効果があったことに加えて、22年10月と23年5月に実施した価格改定の効果、23年11月に実施した自販機チャネルにおける価格改定の効果があったことなどが牽引した。ただ、依然として容器・包装価格やエネルギーコストの高騰による影響や、海外飲料事業での、超インフレ会計適用による会計上の調整も影響した。なお、25年1月期業績予想は、トルコ飲料事業に関して為替及びインフレ率の見通しが不透明で合理的な影響額を算出することが困難であるとして未定としている。
■伊藤園 <2593> 3,829円 -369 円 (-8.8%) 本日終値 東証プライム 下落率4位
伊藤園<2593>が大幅安で昨年来安値を更新した。前週末1日取引終了後に発表した23年5月~24年1月期連結決算は、売上高が前年同期比5.4%増の3462億5100万円、営業利益が同37.1%増の217億5800万円だった。良好な決算内容だったものの、材料出尽くしとの見方から目先売りが先行する展開となった。主力商品の「お~いお茶」を含むリーフ・ドリンク関連事業が伸びたほか、コーヒーチェーン「タリーズコーヒー」を運営する飲食関連事業も好調だった。通期の増収増益見通しは据え置いている。
■日本コークス工業 <3315> 117円 -10 円 (-7.9%) 本日終値 東証プライム 下落率5位
日本コークス工業<3315>が急反落。前週末1日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想について、売上高を1590億円から1369億円(前期比21.3%減)へ、営業利益を63億円から43億円(前期3億9700万円の赤字)へ、純利益を25億円から18億円(同10億7500万円の赤字)へ下方修正したことが嫌気された。コークス事業における設備トラブルなどが下期以降、増加傾向にあり、生産量及び販売量の減少が想定以上となる見通しであることが要因としている。
■ディー・エヌ・エー <2432> 1,403円 -92 円 (-6.2%) 本日終値 東証プライム 下落率10位
ディー・エヌ・エー<2432>が大幅反落。1日の取引終了後に関東財務局に提出された変更報告書で、英投資ファンドのシルチェスター・インターナショナル・インベスターズの保有割合が7.35%から6.23%に低下したことが判明しており、需給思惑が和らいでいるようだ。なお、報告義務発生日は2月29日としている。
■三和ホールディングス <5929> 2,566.5円 -110.5 円 (-4.1%) 本日終値
三和ホールディングス<5929>が4日ぶりに反落。SMBC日興証券が1日付で投資判断を「1」から「2」へ引き下げたことが売り材料視された。同証券では、目標株価は2400円から2550円に引き上げたが、直近の株価上昇やセクター内の相対評価を踏まえて投資評価を見直したとした。23年3月期から24年3月期にかけて米州事業の価格効果が寄与して業績は急伸長したが、25年3月期業績は踊り場になるとみている。
■コメリ <8218> 3,360円 -135 円 (-3.9%) 本日終値
コメリ<8218>が反落。前週末1日の取引終了後に発表した2月度の月次状況で、既存店売上高が前年同月比0.4%減と7カ月連続で前年割れとなったことが嫌気された。セメントや機械釘などのプロ向けの消耗品や庭園資材・除草関連商品などの外作業用品は堅調だったものの、1月に続いて暖冬と昨年の寒波の影響を受け、水道管の凍結対応商品や暖房用品・灯油などの季節関連商品の販売が苦戦した。なお、全店売上高は同0.7%増だった。
■NXHD <9147> 7,822円 -217 円 (-2.7%) 本日終値
NIPPON EXPRESS ホールディングス<9147>が軟調推移。前週末1日、株式の売り出し決議を発表した。需給面での悪影響を警戒した売りが優勢となったようだ。売り出し株数は421万6600株で、売り出し人は日野自動車<7205>、SOMPOホールディングス<8630>傘下の損害保険ジャパン、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>傘下の三菱UFJ銀行、いすゞ自動車<7202>など。売り出し価格は11日から13日までの間のいずれかの日に決める。NXHDは同時に自社株買いも発表した。取得総数160万株(自己株式を除く発行済み株式総数の1.82%)、取得総額100億円を上限に実施する。取得期間は4月11日から7月31日までとする。
株探ニュース