注目銘柄ダイジェスト(前場):大林組、鹿島、HPCシステムズなど
鹿島<1812>:2962.5円(+203.5円)
大幅反発。大林組の大幅増配発表を受けて連想感も高まり、本日は大手ゼネコン株が総じて強い動きとなっている。同社は25年3月期から新中計がスタートする予定となっており、株主還元の充実期待が先行する形にもなっているようだ。SMBC日興証券では投資判断「1」を継続し、目標株価を2750円から3100円に引き上げ。新中計では、18年3月期の営業最高益更新やその後の着実な利益成長、株主還元の充実が期待されるとしている。
日本ラッド<4736>:1326円 カ -
ストップ高買い気配。前日に24年3月期の業績上方修正を発表している。営業利益は従来予想の1.5億円から2.5億円、前期比2.9倍の水準にまで引き上げ。エンタープライズソリューションセグメントでの大口主要顧客におけるシステム開発需要の一時的急増、IoTセグメントでの組込ライセンス商流の予想を上回る一時的急拡大などが背景としている。上振れは想定線とみられるが、前日からの人気化もあり、追加の支援材料として上値追い材料に。
ニーズウェル<3992>:1103円(+70円)
大幅続伸。大手ホテルにおけるオーダーシステム更改を、ITアウトソーシングサービスにて先行受注したと前日に発表している。ホテル内店舗の一部レストランでの先行受注で、POSレジ、注文入力のモバイル端末、注文内容を伝達するネットワークなどのハード更改に加え、システム移行・設計・構築・保守運用などソフト面も含むもの。受注金額は明らかになっていないが、業績への寄与期待や着実な実績の積み上げなどを好材料視する展開に。
ZOZO<3092>:3632円(+238円)
大幅続伸。前日に日経平均の定期銘柄入れ替えが発表されており、ディスコやソシオネクストとともに新規採用されることが決定している。大和証券の試算では、リバランスに伴う買い入れ株数は2544万株、インパクトは20.13日分としている。他2社と比べて買い入れインパクトが大きく、また、足元の株価上昇率も限定的だったことで、相対的にポジティブな反応が強まる状況となっている。
大林組<1802>:1716.5円(+259.5円)
大幅反発。資本政策の見直しを前日に発表、ROEは中期的に8%以上とする目標から2026年度までに10%以上にするなどとしている。それに伴って配当方針も、DOE3%程度を目指す還元方針からDOE5%程度を目指す方針と変更している。24年3月期末配当金は従来計画の21円から51円に引き上げ、年間配当金は72円で前期比30円の増配となる。前日終値ベースでの配当利回りは4.9%の水準にまで高まることになる。
ファンペップ<4881>:175円 カ -
ストップ高買い気配。花粉症を対象疾患として開発中のアレルギーワクチン(抗体誘導ペプチド)「FPP004X」に関し、塩野義製薬<4507>と資本業務提携すると発表している。第三者割当増資で塩野義製薬に158万7300株(発行済株式数の6.55%)を割り当てる。調達資金の約1.97億円は開発費に充てる。塩野義製薬は、臨床試験の結果等に基づきFPP004Xの全世界での独占的研究開発と商業化権を取得するオプション権を獲得する。
HPCシステムズ<6597>:2697円(+260円)
昨年来高値。Preferred Computational Chemistry(東京都千代田区)及びENEOSホールディングス<5020>傘下のENEOS(同)と共同開発した「GRRM20 with Matlantis」を11日から提供すると発表している。GRRMは多様な目的で利用される計算プログラムで、Matlantisは量子化学計算に匹敵する精度の結果を高速に得られる原子レベルシミュレータ。GRRM20 with Matlantisは革新的な計算速度で化学反応経路の自動探索を実現するという。
アスノバ<9223>:1132円(+44円)
大幅に3日ぶり反発。4月1日を効力発生日とする1対2の株式分割に伴い、9月末の贈呈分から株主優待制度を変更すると発表している。株主還元の強化が目的で、保有株式数に応じた優待ポイントを株式分割前から変更せず、実質的に株主優待制度を拡充する。ASNOVAは保有株数500株以上の株主に対し、保有株数に応じて5000-1万5000ポイントの株主優待を9月末と3月末に贈呈している。
《ST》