株価指数先物【寄り前】 +1σ接近では押し目狙いのロング対応に
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39770 -360 (-0.89%)
TOPIX先物 2709.5 -16.5 (-0.60%)
シカゴ日経平均先物 39800 -330
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
5日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。中国市場向けのAI向け半導体について米政府が輸出制限に動いているとの観測報道が伝わり、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>が下落したほか、iPhoneの中国販売台数が前年同期比24%減だったと発表したアップル<AAPL>が売られ、ハイテク株を中心に持ち高調整の売りが広がった。
2月のISM非製造業指数が予想を下回ったほか、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が6、7日にそれぞれ下院金融委員会、上院銀行委員会で半年に一度の議会証言を行う予定であり、模様眺めムードが強まった。ナスダック指数の下落率は1.6%、SOX指数は2%を超える下落となった。S&P500業種別指数は食品・生活必需品小売、銀行、電気通信サービスが上昇した一方で、自動車・同部品、ソフトウエア・サービス、テクノロジー・ハード・機器が下落した。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比330円安の3万9800円だった。日経平均株価(3月限)のナイトセッションは日中比10円安の4万0120円で始まり、4万0050円まで下げた後に、一時4万0190円とプラスに転じる場面も見られた。ただし、買い一巡後は下落に転じで4万円近辺での膠着が続くなか、米国市場の開始後に下へのバイアスが強まった。終盤にかけて3万9670円まで売られ、3万9770円と4営業日ぶりに終値で4万円の大台を割り込んで取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り優勢で始まることになりそうだ。3月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えて、権利行使価格の3万9625円近辺まで一気に下げてきたことにより、ヘッジ対応のショートが入りやすいだろう。ボリンジャーバンドの+1σは3万9470円辺りに位置しているため、節目の3万9500円を狙った短期的なショートを誘い込む可能性は意識しておきたい。
ただし、足もとで4万円近辺での押し目買い意欲の強さが見られていたこともあり、買い遅れていた投資家は+1σ接近で買いを入れやすい水準であろう。また、SOX指数は2%を超す下落となったものの、ハイテク株高を牽引しているエヌビディア<NVDA>は小幅ながら4日続伸している。アドバンスト・マイクロ・デバイセズも、売り一巡後は前日比変わらず近辺まで下落幅を縮めており、ハイテク株に対する買い意欲は強そうだ。
まずは東京エレクトロン <8035> [東証P]やアドバンテスト <6857> [東証P]などの売り一巡後の底堅さを見極めたいところである。そのため、オプション権利行使価格の3万9500円から4万0250円のレンジを想定する。下へのバイアスが強まる局面では、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
VIX指数は14.46(前日は13.49)に上昇した。75日移動平均線からのリバウンドで25日線を突破し、一時200日線を上回る場面も見られた。パウエル議長の議会証言を控えて先回り的な動きもあったと考えられ、慎重姿勢に傾きやすい。ただし、2月21日に付けた16.12や2月13日の17.94を上回ってこないと、イベント通過後はショートカバーに向かわせる可能性がありそうだ。
なお、5日のNT倍率は先物中心限月で14.72倍に低下した。配当志向から建設株が買われるなど、バリュー株への物色が強まったことで、TOPIX型優位の展開だった。本日もハイテク株が売られる可能性からはNTショートに振れやすいと考えられるが、14.69倍に位置する+1σに接近してきたことで、同水準ではNTショートの巻き戻しから、NTロングでのスプレッドを狙ったスタンスが強まるとみておきたい。
株探ニュース