本日の注目個別銘柄:ヤマシナ、ツムラ、アインHDなど
<6762> TDK 7907 -291
大幅反落。前日の米国株式市場では、中国でのiPhone販売が急減したと報じられたことでアップルの株価が2.8%安と大きく下落。香港の調査会社が、年初から6週間の中国でのiPhone販売が前年同期比24%減になったとの調査結果を公表しているもよう。他のハイテク株にもネガティブな波及効果を与えている。東京市場でも同社など電子部品の一角に売りが波及する展開へ。
<6923> スタンレー電 2796.5 +183.5
大幅続伸。JPモルガン証券では投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウェイト」に格上げ、目標株価も2600円から3300円に引き上げている。主要顧客の高水準の車両生産継続、一過性費用の剥落などにより、25年3月期にかけて収益モメンタムは大幅に好転すると予想。また、高水準の還元姿勢が続く蓋然性も高いとして、株価の上昇余地は大きいと判断しているようだ。
<2579> コカBJH 2180 +184
大幅続伸。SMBC日興証券では投資判断を「2」から「1」に、目標株価も1800円から2600円に引き上げた。プライスリーダーのサントリー食品が積極的な値上げを検討していることが背景となり、収益性の向上につながる値上げの実現可能性が高まってきたことを評価のもよう。また、経営改革に取り組んできた結果、脆弱だったサプライチェーン体制が改善、安定化しつつあることなどもポジティブに捉えているようだ。
<6966> 三井ハイテク 9621 +1080
急伸。前日に業績予想の上方修正を発表している。24年1月期営業利益は従来予想の160億円から181億円、前期比19.9%減にまで引き上げ。自動車業界において電動車関連の需要が堅調に推移し、電機部品事業においては想定通りの推移となっているもよう。為替円安の影響なども収益の押し上げ要因となったようだ。第3四半期までは計画線の推移と見られた中、業績上振れをストレートに評価の動きが先行へ。
<4540> ツムラ 3266 +500.5
急騰。2024年度薬価改定の影響についての一部アンケート調査において、同社は改定品目の単純平均ベースで24%の大幅引き上げを受けることが明らかになったと、一部の専門紙が伝えている。なお、厚生労働省では5日に、4月1日付で実施する2024年度薬価基準改定を告示しており、薬剤費ベースで見た場合の改定率はマイナス4.67%となっているもよう。
<9627> アインHD 5246 +700
ストップ高。前日に提出された大量保有報告書によると、オアシスマネジメントが9.60%を保有する大株主になったことが明らかになっている。保有目的は、ポートフォリオ投資および重要提案行為とされている。オアシスは香港に拠点を置くヘッジファンドで、物言う株主として存在感が強い。ツルハHDとウエルシアHDの経営統合に関連して、保有するツルハ株をイオンに譲渡することにもなっている。
<8848> レオパレス21 505 +54
急伸。前日に2月の月次データを発表している。入居率は86.60%で、前月比1.6ptの上昇、前年同月比では0.01ptの低下となっている。1月は前年割れに落ち込んだが、再度前年並み水準にまで回復する形となり、買い安心感につながっているようだ。なお、契約済戸数も48万648戸で、前年同月比では5684戸の減少だが、前月比では8199戸の増加となっている。
<7605> フジコーポ 1782 -130
大幅反落。前日に第1四半期の決算を発表、営業利益は26.1億円で前年同期比6.1%減となり、通期増益予想に対してやや低調なスタートと受けとめられているようだ。タイヤ・ホイールを中心に売上は順調に拡大しているものの、度重なる値上げによる仕入れコストの上昇などが収益に響いたもよう。なお、業績には季節性が強いことから、進捗率は高い状況となっている。
<4880> セルソース 1500 +121
大幅反発。累計約30万人の会員を持つオンラインピル診療サービス「メデリピル」を展開するmederi株式会社との間で、同社が提供する卵子凍結保管受託サービス「卵子凍結あんしんバンク」を共同で推進することを目的とした業務提携契約を締結したと発表している。大規模な女性会員ネットワークを持つ企業であり、同社サービスのアプローチ拡大に直結していくとの期待感が先行。
<5955> ヤマシナ 118 +30
急騰。電動垂直離着陸飛行機開発企業であるヒエンエアロテクノロジーズと、世界初のガスタービンハイブリッド型eVTOLの開発において技術提携契約を締結したと発表。同社では軽量化ファスニング技術や電食対策技術、ボルトのゆるみ対策、締結コスト低減技術などを、ノウハウや試験データとともに提供していく。ヒエンでは30年を目標に空飛ぶクルマと言われるエアタクシーの開発も計画、同社の業容拡充期待が高まった。
《ST》