NY株式:NYダウは75ドル高、FRB議長が年内の利下げの可能性に言及
米国株式市場は反発。ダウ平均は75.86ドル高の38,661.05ドル、ナスダックは91.96ポイント高の16,031.54で取引を終了した。
金利低下を好感し、寄り付き後、上昇。雇用関連指標が労働市場のひっ迫緩和を示唆したため年内の利下げ期待も強まり、相場を一段と押し上げた。連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は下院金融委員会での議会証言で利下げを急がない方針を再表明すると同時に、年内いずれかの時点で利下げが適切になる可能性が高いと言及すると、相場は終日堅調に推移。ただ、地銀のニューヨーク・コミュニティー・バンコープ(NYCB)株の急落を受け金融市場への不安に上値が抑制された。しかし、同行が10億ドル超の増資発表で株価が回復すると警戒感も後退し、終盤にかけ回復し終了。セクター別では半導体・同製造装置が上昇した一方、自動車・自動車部品が下落した。
製薬会社のファイザー(PFE)はダイバーシティフェロープログラムを巡る訴訟で勝訴したことが効果され、上昇。ディスカウント小売のターゲット(TGT)や保険持株会社のプログレッシブ(PGR)はアナリストの投資判断引き上げで、上昇。地銀のニューヨーク・コミュニティー・バンコープ(NYCB)はウォール・ストリート・ジャーナル紙が同行が増資の可能性で複数の投資会社に接触していると報じると警戒感が強まり急落、何回か取引が中断されたがムニューシン前財務長官が率いるliberty strategic capitalなどの出資による10億ドル超の増資が発表され、上昇に転じた。
履物販売会社のフットロッカー(FL)は四半期決算で見通しが予想を下回ったほか、成長計画の開始を2年先送り、さらに配当も再開されなかったため失望感から売られた。化粧品メーカーのエスティ・ローダー(EL)は傘下のスキンケアブランド、クリニークのニキビケア製品の成分に発がん性のある化学物質が含まれているとの一部研究所報告が嫌気され下落。電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)はドイツ工場の停電が来週末まで続く見通しで、業績への影響が懸念され続落した。
FRBが公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)では全米の経済活動が若干拡大したと、上方修正された。
(Horiko Capital Management LLC)
《ST》