富田隆弥の【CHART CLUB】 「バリュー株、低位株も動き出す」
◆7日の日経平均株価は、朝方に382円高の4万0472円と最高値を塗り替えたが、大引け間際に3万9518円まで売られ、場中の高値から954円も急落した。翌8日のメジャーSQ(先物・オプション取引の特別清算指数算出)を控えて先物に売りが出たと思われ、さらに為替が1ドル=148円台前半まで円高に振れたことで自動車やハイテク関連株への利益確定売りが加速した。
◆日本株に対する押し目買い意欲は強く、日経平均株価は下げてもすぐに反発するだろう。ただ、年初からわずか2カ月(10週)で7000円以上(21%)の急騰劇を演じ、順位相関指数(RCI)、相対力指数(RSI)、移動平均線カイ離率などテクニカル指標に多くの過熱信号が出ている。初の4万円台という高所であるから風雨が強まるのはやむを得ず、年度末の3月はまだ折に触れて乱高下することを覚悟しておきたい。
◆円高に振れ始めた為替も気掛かりだ。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が「年内の利下げ見通し」を語り、日本では日銀金融政策決定会合のメンバーが「マイナス金利解除」に言及してきた。為替の投機筋ポジションは大量の「円売り」が滞留しており、円高傾向が続くと「円の買い戻し」を誘いやすくなる。
◆ただ、個別株をみると、半導体関連や値がさ株への一極集中からバリュー株や低位・小型株へと物色範囲を広げてきている。東証株価指数(TOPIX)は1989年に付けた史上最高値2884.80ポイントにまだ到達していない。個別株の循環物色は良好な地合いの証であり、バリュー株や低位・小型株がTOPIXを押し上げることも想定される。大型主力株で調整を入れているNTT <9432> [東証P]に待ち伏せ妙味あり、とみる。
(3月7日 記、次回更新は3月16日10時を予定)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース