株価指数先物【寄り前】 3万8000円割れを狙ったショートが入りやすい
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 38180 -350 (-0.90%)
TOPIX先物 2618.0 -24.5 (-0.92%)
シカゴ日経平均先物 38180 -350
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
11日の米国市場は、NYダウが上昇した一方で、 S&P500、ナスダックは下落。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注目する米消費者物価指数(CPI)の発表を翌日に控え、方向感のつかみづらい展開となった。リバランス中心の商いとなり、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>やナイキ<NKE>、アップル<AAPL>など出遅れ感のある銘柄が買われた半面、エヌビディア<NVDA>は2%を超す下落となったほか、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>、マイクロン・テクノロジー<MU>など半導体株に利益確定売りが出た。S&P500業種別指数は食品・飲料・タバコ、素材、自動車・同部品が上昇し、半導体・同製造装置、小売、資本財の下落が目立った。
シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比350円安の3万8180円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比20円安の3万8510円で始まり、直後に付けた3万8580円を高値に下落に転じると、一気に3万8160円まで売られた。売り一巡後は3万8160円~3万8330円辺りで保ち合いを継続していたが、米国市場の取引開始後には3万8100円~3万8230円辺りにレンジを下げており、一時3万8090円まで売られる場面も見られた。終盤にかけてもボトム圏での推移を継続し、3万8180円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形で、売り優勢で始まりそうである。前日の大幅な下落によって25日移動平均線水準まで下げたことから、いったんは自律反発が期待されやすいところではある。ただし、週明けの米国市場では引き続きエヌビディアなど半導体株が利食いに押されており、東京エレクトロン <8035> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型を押し下げる展開が続きそうだ。
日経225先物は終値で25日線(3万8270円)を割り込んできており、同線を挟んだ攻防が意識される。戻りの鈍さが意識されてくるようだと、ショートを仕掛けてくる動きを強めそうだ。国内では日銀がマイナス金利を解除するタイミングについて3月との予想が増えており、為替市場では円相場が1ドル=146円台後半と円高・ドル安に振れている。来週の日銀の金融政策決定会合、米連邦公開市場委員会(FOMC)を睨んで、先回り的にショートを仕掛けてくる動きも入りそうだ。
そのため、25日線水準に位置するオプション権利行使価格の3万8250円を中心とした、3万8000円から3万8500円のレンジを想定する。25日線に上値を抑えられる動きが続くようだと、3万8000円割れを狙ったショートが強まろう。-1σ(3万7040円)と25日線とのレンジに移行する可能性も警戒されてくるため、持ち高調整により下へのバイアスを強めてくる展開が意識されてくるだろう。
11日のVIX指数は15.22(前日は14.74)に上昇した。200日線から上放れを見せてきており、一時16.04と2月22日以来の水準を付けた。同水準を突破してくると、2月13日の17.94が意識されやすく、明日のCPIの結果を受けた動向が注目されよう。また、週足では52週線を捉えてきており、ショートを強めてくる展開が警戒されてきた。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.58倍(前日は14.59倍)に低下した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下げが日経平均型の重荷となり、朝方に14.46倍まで低下し、支持線として期待された25日線水準を割り込んだ。ただし、東証プライムの8割超の銘柄が下落するなか、一時14.64倍まで上昇する場面も見られ、25日線を上回っての推移が続いた。14.55倍辺りに位置する25日線が支持線として機能するかを見極めたい。
株探ニュース