日米の金融イベントを控え積極的な売買は手控え/オープニングコメント
14日の日本株市場は、膠着感が強まりそうだ。13日の米国市場は、NYダウが37ドル高、ナスダックは87ポイント安だった。2カ月連続で予想を上回った2月の消費者物価指数(CPI)を巡る判断が分かれ、まちまちの展開。翌日に発表を控える卸売物価指数(PPI)や来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)待ちで動意は乏しく、終盤にかけ調整色が強まった。景気敏感株が買われた一方で、米長期金利の上昇が重荷となりハイテク株が軟調。シカゴ日経225先物(6月限)清算値は大阪比25円高の38375円、円相場は1ドル147円70銭台で推移している。
日経平均株価はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、小じっかりで始まりそうだ。ただし、14日の米PPIや小売売上高の結果を見極めたいとする模様眺めムードが強まりやすいだろう。また、エヌビディアなど半導体株が売られたことで、東エレク<8035>など指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型の重荷となりそうだ。
日経225先物はナイトセッションで25日線に上値を抑えられる格好となり、狭いレンジでの推移が続いた。来週のFOMCのほか、日銀の金融政策決定会合ではマイナス金利解除を議論するとみられるが、日銀は上場投資信託(ETF)の新規買い入れの完全停止を検討すると、関係者の話しとして報じられている。金融政策の正常化に向けて踏み出したとの見方から、積極的な売買は手控えられやすいだろう。
日経平均株価の足もとの調整により、日銀の政策正常化をにらんだリバランスの動きは進んでいるとみられる。金利差を狙ったポジションを巻き戻す動きから調整は入りそうだが、マイナス金利解除後も緩和的な政策を継続するため、押し目待ち狙いのタイミングを図っていると考えられる。ボリンジャーバンドの-1σは37500円辺りに位置しており、同水準までの調整を見せてくる場面があれば、押し目を狙いたいところだろう。
物色の流れとしてはハイテク株の売り一巡後の底堅さを見極めつつ、ややTOPIX型にシフトしやすい。3月期末を意識した配当志向の物色も入りやすい。目先的な調整が意識されるなか、低PBR銘柄など割安感の強い銘柄などに資金が向かいそうである。
《AK》