来週の株式相場に向けて=17年ぶりの利上げは織り込んだのか
来週は、いよいよ日銀の金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。日米中銀の決定会合により春相場は重要ポイントを迎えることになる。
市場関係者の関心は、18日から19日にかけて開催される日銀会合に向かっている。大手企業の春闘は満額回答が相次ぐなど賃上げの動きは強まった。これを受け、来週の日銀会合でマイナス金利政策が解除される、との見方も強まっている。その場合、2007年以来17年ぶりの利上げとなる。ある市場関係者は「3月の金融政策変更の可能性はかなり高まった。相場も大分、織り込みつつある。むしろ米国の金融政策の方が不透明感は強いかもしれない」ともみている。日銀がマイナス金利を解除した場合、その後の政策のスタンスが注目されそうだ。政策が維持された場合は、4月に持ち越しとなる。
更に、19日から20日にFOMCがある。今回は政策金利の据え置きが有力だが、ドットチャートが公表されるほか、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言が注視されそうだ。
東京株式市場に関しては、日経平均株価は一時大きく膨らんだ25日移動平均線とのかい離は解消された。下値不安は薄らいでいるが、半導体株の急騰の反動でしばらくは、なお一進一退が続く可能性がある。
一方、TOPIXはこの日も上昇するなど強含みで推移している。「TOPIXの昨年9月ザラ場高値時の信用の期日がちょうど今日だった」(アナリスト)という。期日明け後の需給面の好転も期待され、春相場はTOPIXを中心とした相場展開が予想される。三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>など銀行株や大成建設<1801>など建設株、三井不動産<8801>など不動産株が注目されそうだ。
上記以外のイベントでは、海外では18日に中国2月小売売上高、19日にドイツ3月ZEW景況感指数が発表され、21日にイギリス金融政策委員会が開催される。20日にマイクロン・テクノロジー<MU>、21日にナイキ<NKE>の決算発表が予定されている。国内では18日に1月機械受注、19日に2月訪日外客数が発表される。20日は春分の日で休場。22日に2月消費者物価指数(CPI)が発表される。21日にツルハホールディングス<3391>が決算発表を行う。来週の日経平均株価の予想レンジは3万8100~3万9300円前後。(岡里英幸)