ダウ平均は続落 インフレ指標きっかけに見直しの議論も=米国株概況
NY株式15日(NY時間16:20)(日本時間05:20)
ダウ平均 38714.77(-190.89 -0.49%)
S&P500 5117.09(-33.39 -0.65%)
ナスダック 15973.18(-155.35 -0.96%)
CME日経平均先物 38700(大証終比:+310 +0.80%)
きょうの米株式市場でダウ平均は続落。本日もIT・ハイテク株の下げが先導した。市場は今週の消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)を受けて、FRBの利下げ期待を後退させている。6月の利下げ開始がなお予想のコンセンサスではあるが、その見方にやや黄色信号が点灯し始めており、7月に後退させる動きも見られている。短期金融市場での6月利下げの確率が63%程度まで低下し、年内の利下げ幅も計0.75%以下で織り込み始めている状況。
今週のイベントを通過して、米株式市場では本格的な調整への警戒感も広がっている。今週のインフレ指標をきっかけに、米株式市場はバブルなのではないかと、見直しの議論も出始めているようだ。
しかし、バブルではないとの主張も出ている。「AIブームと2000年のITバブルに共通しているのは、巨大な成長への期待だ。特にエヌビディアについては2024年予想ベースの株価収益率(PER)は36倍前後で取引されている。高い期待ではあるが、不可能ではない」といったコメントも聞かれた。
本日は仮想通貨市場でビットコインが一時6万5千ドル台まで急落し、市場に不安感を煽っている。こちらもAIブーム同様にバブルが指摘されているが、今週の米インフレ指標とその反応から、最近の急伸が投機的なフロス(泡)の証拠であるかを巡り議論が激化しているようだ。
アドビ<ADBE>が決算を受け大幅安。第2四半期のガイダンスに失望感が広がっている模様。予想を下回る売上高見通しを示したほか、デジタルメディアの新規の年ベース経常収益(ARR)も予想を下回る見通しを示した。
美容製品販売のアルタ・ビューティ<ULTA>が決算を受け下落。好調な決算も株価は冴えない反応。投資家の間で強気の見方が広がっていた分、物足りないとの印象が広がっている模様。
電気自動車(EV)のリビアン・オートモーティブ<RIVN>が上昇。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価も従来の15ドルから21ドルに引き上げた。前日終値よりも96%高い水準。
バイオ医薬品のマドリガル・ファーマ<MDGL>が大幅高。同社の「レズディフラ」が非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)患者の治療薬として米国で初めて承認された。
ソフトウエア開発のスマートシート<SMAR>が決算を受け下落。第1四半期、通期の売上高の見通しが予想を下回ったことが嫌気されている模様。
バイオ医薬品のジェロン<GERN>が急騰。同社の貧血治療薬候補「イメテルスタット」について、FDAの諮問委員会から支持を得たと発表した。
不動産情報サイトのジロー<ZG>が大幅安。全米不動産協会(NAR)が不動産業者の手数料規則をめぐる訴訟で和解することで合意した。
エレクトロニクスのジェイビル<JBL>が決算を受け大幅安。売上高が予想を下回ったほか、通期の1株利益、売上高も下方修正した。
アドビ<ADBE> 492.46(-77.99 -13.67%)
リビアン<RIVN> 11.04(+0.35 +3.27%)
マドリガル・ファーマ<MDGL> 270.37(+26.80 +11.00%)
スマートシート<SMAR> 37.52(-2.78 -6.90%)
ジェロン<GERN> 3.36(+1.61 +92.00%)
アルタ・ビューティ<ULTA> 535.98(-29.46 -5.21%)
ジロー<ZG> 46.22(-6.92 -13.02%)
ジェイビル<JBL> 123.15(-24.31 -16.49%)
アップル<AAPL> 172.62(-0.38 -0.22%)
マイクロソフト<MSFT> 416.42(-8.80 -2.07%)
アマゾン<AMZN> 174.42(-4.33 -2.42%)
アルファベットC<GOOG> 142.17(-2.17 -1.50%)
テスラ<TSLA> 163.57(+1.07 +0.66%)
メタ<META> 484.10(-7.73 -1.57%)
AMD<AMD> 191.06(+4.00 +2.14%)
エヌビディア<NVDA> 878.37(-1.08 -0.12%)
イーライリリー<LLY> 754.17(-6.56 -0.86%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美