富田隆弥の【CHART CLUB】 「当然の調整、そしてポイントとなる"お彼岸"」
◆さすがに今週の日経平均株価は調整を入れた。2月7日の安値3万5854円から3月7日の高値4万0472円まで1カ月で4618円(12.9%)、年初1月4日の安値3万2693円からは約2カ月で7779円(23.8%)も急騰して、チャートに過熱感が出ていた。それを踏まえれば、ここでの調整は至って自然なことと言える。
◆また、3月には調整アノマリー(経験則)があるほか、メジャーSQ(先物・オプション取引の特別清算指数算出)や確定申告、年度末接近などに伴う売りも出やすい。信用買い残が4兆3380億円と16年7ヵ月ぶりの水準に膨らんでおり、短期筋の売りを誘いやすい状況でもある。ただし、株式市場には「彼岸底」という格言もある。
◆来週は18-19日に日銀金融政策決定会合、19-20日に米連邦公開市場委員会(FOMC)と日米で重要イベントを控えるが、そこは「お彼岸」が重なるタイミングでもある。日経平均株価は19日が3月7日の高値から日足で9本を数え、短期テクニカル指標が安値圏に到達するタイミングで一つのポイントになりやすい。
◆半導体株の上昇を牽引する米半導体大手のエヌビディア<NVDA>や、為替(円高)の動向には注意が必要だが、日本株は20日を過ぎると当面の売り圧力が峠を越し、配当取りの動きが出てくると思われる。日経平均株価は3月12日に3万8271円まで調整して25日移動平均線(14日時点3万8714円)に差し掛かったが、そこを仮に割り込んだとしても、来週は日柄面から「彼岸」をポイントとして念頭に置いておきたい。そこから反発するのならば、4月の新年度相場につながる可能性が出てくる。
(3月14日 記、次回更新は3月23日10時を予定)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース