ユーロ週間見通し:伸び悩みか、ECBの早期利下げ観測と日銀の緩和修正で
■弱含み、ECBによる年内複数回の利下げ観測強まる
今週のユーロ・ドルは弱含み。欧州中央銀行(ECB)による6月利下げ観測は後退せず、米長期金利は上昇したことからリスク選好的なユーロ買い・米ドル売りは縮小。週後半はECBによる年内複数回の利下げ観測が台頭し、米長期金利は底堅い動きを維持したことでユーロ売り・米ドル買いの取引が活発となった。取引レンジ:1.0873ドル-1.0964ドル。
「伸び悩みか、ECBの今後の利下げ見込みユーロは上げ渋る可能性
来週のユーロ・ドルは伸び悩みか。欧州中央銀行(ECB)は金融政策の運営について判断が分かれ、不透明感が広がりやすい。利下げ時期は6月とみられるが、域内経済指標が低調なら前倒し実施をにらんだユーロ売りが優勢となりそうだ。一方、米インフレ再加速を背景に連邦準備制度理事会(FRB)は引き締め的な政策が見込まれ、ドルは売りづらい。
予想レンジ:1.0750ドル-1.1000
■強含み、日欧金利差縮小を想定したユーロ売りは一巡
今週のユーロ・円は強含み。欧州中央銀行による年内複数回の利下げを想定したユーロ売り・円買いは一巡し、ユーロ売りは縮小。この局面で米ドル・円は円安方向に振れており、リスク選好的なユーロ買い・円売りが次第に広がった。原油先物の上昇もユーロ買い・円売りを促したようだ。取引レンジ:160円22銭-162円40銭。
■伸び悩みか、ECBの早期利下げ観測と日銀の緩和修正で
来週のユーロ・円は伸び悩みか。欧州中央銀行(ECB)の金融政策運営に不透明感が広がるなか、域内の消費者信頼感指数や製造業とサービス業PMIで経済の悪化が示された場合、早期利下げを見込んだユーロ売りが強まりそうだ。一方、日本銀行は3月18-19日開催の金融政策決定会合でマイナス金利の解除をはじめ緩和政策を修正すると予想され、目先的にリスク選好的なユーロ買い・円売りは抑制される可能性がある。
○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・21日:3月製造業PMI(2月:46.5)
・21日:3月サービス業PMI(2月:50.2)
予想レンジ:159円50銭-163円50銭
《FA》