15日の米国市場ダイジェスト:NYダウは190ドル安、FOMCを警戒
■NY株式:NYダウは190ドル安、FOMCを警戒
米国株式市場は続落。ダウ平均は190.89ドル安の38,714.77ドル、ナスダックは155.35ポイント安の15,973.18で取引を終了した。
長期金利の上昇を嫌気し、寄り付き後、下落。昨日引け後に発表された決算を受けたソフトウエアメーカー、アドビの下落もハイテクセクターの重しとなった。最近の指標でインフレ改善の停滞が示されたため連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ先送り観測が強まる中、来週開催される連邦公開市場委員会(FOMC)を控え警戒感に売りに拍車がかかったほか、本日は先物や個別・指数オプションが同時に期限を迎えるトリプルウィッチングにあたりテクニカルな売りも見られ終日軟調に推移し終了。セクター別では銀行や自動車・自動車部品が上昇した一方、ソフトウエアサービスが下落した。
電気自動車メーカーのリビアン・オートモーティブ(RIVN)はアナリストの投資判断引き上げで上昇。半導体メーカーのマイクロン・テクノロジー(MU)はアナリストの目標株価引き上げで上昇した。ソフトウエアメーカーのアドビ(ADBE)は四半期決算で低調な売上高見通しが嫌気され、人工知能(AI)注力新興企業の競争激化懸念が強まり、下落。
化粧品小売りチェーンのアルタ・ビューティ(ULTA)は四半期決算で見通しが冴えず売られた。不動産ウエブサイト運営のジロー・グループ(Z)は全米不動産協会(NAR)が不動産売買における仲介手数料を巡る訴訟で和解金支払いに応じたことを受け、下落。
格付け会社のフィッチ・レーティングスは15日、航空機メーカー、ボーイング(BA)の信用格付け見通しを「ポジティブ」から「安定的」に引き下げた。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:米利下げ観測後退で長期金利高・ドル高の相場展開
15日のニューヨーク外為市場でドル・円は148円63銭から149円17銭まで上昇し、149円07銭で引けた。米インフレが連邦準備制度理事会(FRB)の目標である2%を達成するには想定以上に時間がかかるとの見通しに、来週開催される連邦公開市場委員会(FOMC)でスタッフの年内の利下げ平均予想が2回に修正されるとの見方に長期金利が上昇、ドル買いが優勢となった。また、メディア報道で日本銀行が18、19日開催の金融政策決定会合でマイナス金利政策の解除を決める見通しだが同時に、緩和的な金融環境維持し、ゼロ金利政策に移行することを想定していると報じられたため円買いは限定的となった。
ユーロ・ドルは1.0895ドルから1.0882ドルまで下落し、1.0889ドルで引けた。ビルロワドガロー・仏中銀総裁が2%目標達成にはそんなに遠くないとの発言を受けて下げ止まった。ユーロ・円は、161円90銭から162円40銭へ上昇。ポンド・ドルは1.2757ドルから1.2725ドルまで下落。ドル・スイスは0.8820フランから0.8845フランまで上昇した。
■NY原油:伸び悩み、ドル高などを嫌気
NYMEX原油5月限終値:80.58 ↓0.16
15日のNY原油先物5月限は伸び悩み。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は、前営業日比-0.16ドル(-0.20%)の80.58ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは80.01ドル-80.89ドル。ロンドン市場で80.01ドルまで下げたが、供給不安は解消されず、米国市場の後半にかけて80.89ドルまで反発。ただ、その後はドル高や株安を嫌気した売りが強まり、上げ渋った。通常取引終了後の時間外取引では80ドル台半ばを挟んだ水準で推移。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 35.41ドル -0.28ドル(-0.78%)
モルガン・スタンレー(MS) 88.38ドル -0.72ドル(-0.80%)
ゴールドマン・サックス(GS)387.21ドル -1.40ドル(-0.36%)
インテル(INTC) 42.64ドル -0.11ドル(-0.25%)
アップル(AAPL) 172.62ドル -0.38ドル(-0.21%)
アルファベット(GOOG) 142.17ドル -2.17ドル(-1.50%)
メタ(META) 484.10ドル -7.73ドル(-1.57%)
キャタピラー(CAT) 346.97ドル +5.05ドル(+1.47%)
アルコア(AA) 30.44ドル +0.42ドル(+1.39%)
ウォルマート(WMT) 60.68ドル -0.34ドル(-0.55%)
《ST》