ユーロ週間見通し:伸び悩みか、16年ぶりの高値を意識
■弱含み、米欧金利差縮小観測は後退
今週のユーロ・ドルは弱含み。欧州中央銀行(ECB)は6月に利下げを開始するとの見方は変わっていないものの、年内3回の米利下げ予想を受けてユーロ買い・ドル売りが一時優勢となった。しかしながら、ECBによる年内複数回の利下げの可能性は消えていないことから、米欧金利差縮小観測は後退し、週末前にユーロ売り・米ドル買いの取引が再度活発となった。取引レンジ:1.0802ドル-1.0943ドル。
「伸び悩みか、投資家のドル選好はしばらく続く可能性
来週のユーロ・ドルはもみ合いか。ユーロ圏の一部経済指標で景況感回復が示され、欧州中央銀行(ECB)による連続利下げ観測は後退した。ただ、金融当局者のハト派的な見解が目立ち、ユーロの上昇は限定的か。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は利下げを急いでいないため、投資家のドル選好はしばらく続くとみられる。
予想レンジ:1.0650ドル-1.0950
■強含み、一時2008年8月以来となる165円台前半まで上昇
今週のユーロ・円は強含み。日本銀行はマイナス金利解除を含む大規模金融緩和策の縮小を決めたが、緩和的な金融環境は当面維持されるため、リスク選好的なユーロ買い・円売りが優勢となった。一時2008年8月以来となる165円35銭までユーロ高円安に振れる場面があった。ただ、週末前は利益確定を狙ったユーロ売りが増えたことで163円台半ばまでに弱含みとなった。取引レンジ:161円95銭-165円35銭。
■伸び悩みか、16年ぶりの高値を意識
来週のユーロ・円は伸び悩みか。日本銀行はマイナス金利解除も金融正常化には慎重で、リスク選好的な円売りは続く可能性がある。一方、ユーロ圏の一部経済指標で景況感の回復が示されており、欧州中央銀行(ECB)による連続利下げ観測は後退した。ただ、ユーロ・円は2008年8月以来の高値圏に浮上し、過熱感から利益確定売りが出やすい。
○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・特になし
予想レンジ:162円00銭-165円00銭
《FA》