NY株式:NYダウは162ドル安、 年内の速やかな利下げ観測後退
米国株式市場は下落。ダウ平均は162.26ドル安の39,313.64ドル、ナスダックは44.35ポイント安の16,384.47で取引を終了した。
ボスティック米アトランタ連銀総裁など一部連邦準備制度理事会(FRB)高官が年内の利下げペースが一段と遅くなる可能性を示唆したため、寄り付き後、下落。住宅や製造業関連の指標が予想を下回る中、長期金利は上昇し、終日軟調に推移した。終盤にかけダウは下げ幅を拡大した一方、ナスダックは人工知能(AI)技術への需要増期待を背景としたエヌビディア(NVDA)などの上昇が支援し回復したがプラス圏を維持できず、終了。セクター別では、自動車・自動車部品、半導体・同製造装置が上昇した一方、不動産管理・開発、ソフトウエア・サービスが下落した。
航空機メーカーのボーイング(BA)は安全性を巡る危機への対処としての改革の一環で、最高経営責任者(CEO)の年末での退任、数人の幹部辞任を発表し、買われた。半導体のマイクロン・テクノロジー(MU)は先週発表した四半期決算のAIハードウェア需要の増加を背景とした強い売り上げ見通しを好感した買いが継続。銀行のシティグループ(C)はフレーザー最高経営責任者(CEO)の下、過去20年で最大規模の組織再編をほぼ完了したことを明らかにし、上昇。高級電気自動車メーカーのルーシッド(LCID)は、サウジ政府系ファンドが同社に10億ドル出資することが明らかになり、上昇。動画配信のネットフリックス(NFLX)はアナリストの目標株価引き上げで上昇した。
半導体のインテル(INTC)やアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は中国が外国製半導体のマイクロプロセッサーとサーバーの使用を制限する新たな指針を採用したとの報道で、特に中国のエクスポ―ジャーが多い両社が売られた。また、ファーストフード・チェーン運営会社のマクドナルド(MCD)はアナリストが客足の鈍さを指摘し、投資判断を引き下げ下落。
今年の連邦公開市場委員会(FOMC)投票権を持つアトランタ連銀のボスティック総裁は、自身の見通しに沿って経済が推移すれば年内の利下げは1回にとどまるとの予想を示した。
(Horiko Capital Management LLC)
《ST》