話題株ピックアップ【夕刊】(1):小糸製、フジHD、セガサミー
■小糸製作所 <7276> 2,535円 +500 円 (+24.6%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
小糸製作所<7276>がストップ高。28日の取引終了後、取得総数3500万株(自己株式を除く発行済み株式総数の11.37%)、取得総額500億円を上限とする自社株買いの実施を発表した。あわせて開示した中期経営計画では、業績拡大とともに株主還元姿勢を強化する方針を示しており、サプライズ視されたようだ。今回発表した自社株の取得期間は4月1日から2025年3月24日まで。中期経営計画では、27年3月期に売上高を1兆円以上(23年3月期実績は8647億1900万円)、営業利益率を8%(同5.4%)とする目標を掲げた。日系メーカー向けは自動車市場以上の成長率を維持するほか、日系メーカー以外の売り上げを倍増させる。株主還元については、来期から5カ年の累計で2000億円以上とする方針。今回発表した上限3500万株の自社株買いは新たな株主還元方針の一環として行う。更に連結配当性向40%以上を目安に配当を実施する姿勢を示した。
■フジHD <4676> 1,984円 +155 円 (+8.5%) 本日終値 東証プライム 上昇率6位
フジ・メディア・ホールディングス<4676>が急反発。28日の取引終了後、上限を1000万株(発行済み株数の4.57%)、または150億円とする自社株買いを実施すると発表したことが好感された。取得期間は4月1日から来年3月31日までで、投資有価証券の売却資金などを活用し、一層の資本効率の向上及び継続的な企業価値・株主価値の向上を目指すことが狙いとしている。同時に24年3月期の連結業績予想について、最終利益を260億円から360億円(前期比23.2%減)へ上方修正したことも好材料視されている。保有する投資有価証券の一部を売却したのに伴い、投資有価証券売却益約160億円を特別利益として計上することなどが要因としている。なお、売上高5577億円(同4.1%増)、営業利益320億円(同1.9%増)は従来見通しを据え置いている。
■セガサミー <6460> 2,013円 +146.5 円 (+7.9%) 本日終値 東証プライム 上昇率8位
セガサミーホールディングス<6460>が急反発。同社は28日取引終了後、欧州地域における構造改革の施策を実施すると発表しており、これが評価材料となったようだ。主な施策は、「子会社のレリック・エンターテインメントの株式譲渡」「中期ラインアップの見直し」「固定費の適正化」など。レリックの株式譲渡に伴い、事業再編損約47億円を特別損失として計上する見込みだとしている。
■湖北工業 <6524> 1,875円 +134 円 (+7.7%) 本日終値
湖北工業<6524>が続急伸。28日の取引終了後、超高速光スイッチなどの開発を手掛けるエピフォトニクス(神奈川県大和市)の全株式を4月1日付で取得し子会社化すると発表しており、好材料視された。エピフォトニクスは、次世代光情報通信技術として注目されている「PLZT薄膜形成技術」を手掛けており、また米国シリコンバレーに開発拠点を持っている。同社を傘下に収めることで、湖北工業グループが保有する光部品・デバイスの材料技術(結晶育成技術)や精密組み立て技術とのシナジーによる両社での開発を加速させ、次世代情報通信インフラに向けた製品ラインアップの強化と販売ネットワークの拡充を進めることで、大容量化が進む光情報通信関連市場でのシェア拡大を目指すとしている。取得価額は非開示。なお、24年12月期業績に重要な影響を及ぼすことが明らかになった場合には速やかに開示するとしている。
■オンワード <8016> 571円 +36 円 (+6.7%) 本日終値
オンワードホールディングス<8016>が急反発。同社は28日取引終了後、24年2月期通期の連結業績予想と期末一括配当計画を上方修正しており、これが好感されたようだ。第4四半期の業績が好調だったとして、売上高の見通しを従来の1892億1100万円から1896億円(前の期比7.7%増)に、営業利益の見通しを110億2200万円から112億円(同2.1倍)に引き上げた。また、期末一括配当を従来計画比2円増額の20円(前の期は12円)にするとしている。
■いちご <2337> 463円 +27 円 (+6.2%) 本日終値
いちご<2337>が大幅高。国内の中規模不動産を対象とした再生ビジネスを展開するほか、太陽光発電事業も手掛ける。ホテル関連が好調で単価上昇効果などによって収入が想定を上回り、全体業績の押し上げに貢献している。28日取引終了後、24年2月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の95億円から129億円(前の期比3%増)に大幅増額し、大幅減益予想から一転増益見込みとなった。これを材料視する買いを呼び込んだ。
■フィックスターズ <3687> 2,409円 +126 円 (+5.5%) 本日終値
フィックスターズ<3687>が大幅反発。午前11時ごろ、AI開発技術を生かした「生成AI/LLM向けGPUのコスト削減診断サービス」の提供を開始したと発表しており、好材料視された。同サービスは、多くの企業の生成AI/LLM開発における共通課題である、GPUなどの演算性能を有効活用できておらず、過剰なコスト増につながっている点を解消するのが狙い。同サービスを通じて生成AI/LLM開発における大幅なコスト削減をはじめ、さらなる「高速化」「効率化」「高品質化」をAI開発のスペシャリストが提案するとしている。
■アスクル <2678> 2,294円 +94 円 (+4.3%) 本日終値
アスクル<2678>が4日続伸。28日の取引終了後に発表した3月度(2月21日~3月20日)の月次業績で、単体売上高が前年同月比4.3%増となり、2カ月連続で前年実績を上回ったことが好材料視された。主力のBtoB事業が同5.9%増となったことが牽引した。一方のLOHACO事業は同8.5%減となったが、2月度の同23.4%減に比べて減収率が縮小した。
■コスモスイニシア <8844> 949円 +38 円 (+4.2%) 本日終値
コスモスイニシア<8844>が11連騰と異彩の上昇波を形成。ここにきて不動産セクターへの投資資金流入が加速、きょうも住友不動産<8830>が連日で上場来高値を更新したほか、株式分割後の三井不動産<8801>も最高値圏を邁進、三菱地所<8802>、東京建物<8804>なども昨年来高値を更新した。更に住宅大手で不動産部門に注力する住友林業<1911>も連日で上場来高値をつけている。この流れは中小型不動産株にも波及しており、高値更新のオンパレードとなっている。そのなか、首都圏を中心にマンション開発・販売を展開し、訪日外国人を対象に長期滞在型アパートメントホテルなども手掛けるコスモスイニは、そのフロントランナーとして今月中旬を境に急動意、PER、PBRいずれも割安感が強くなお上値を慕う動きにある。
■東京きらぼし <7173> 4,875円 +190 円 (+4.1%) 本日終値
東京きらぼしフィナンシャルグループ<7173>が反発した。28日の取引終了後、26年度までの3カ年の中期経営計画の概要を策定したと発表。26年度に連結純利益を300億円(23年度見通しは240億円)とする目標とともに、三井住友トラスト・ホールディングス<8309>傘下の三井住友信託銀行が持つ優先株(150億円分)については26年度から29年度にかけて、東京都が持つ優先株(400億円分)は26年度から28年度にかけて償還し、償還完了を目指す方針を明らかにした。あわせて中期経営計画中に政策保有株式の簿価残高を約150億円から26年度に約90億円へ削減する目標を示した。公的資金の完済計画と資本効率の向上策を好感した買いが入ったようだ。中期経営計画の個別戦略の詳細については5月初旬に公表を予定する。
⇒⇒最高10万円が当たる! 「個人投資家大調査」を実施中
⇒⇒「株探」では、ただいま「個人投資家大調査-2024」を実施しています。
⇒⇒アンケートにご回答いただいた方から、抽選で「QUOカード」を1名の方に10万円分、1名の方に7万円分、33名の方に1万円分を差し上げます。
⇒⇒アンケートは4月15日(月)午後6時までの予定ですが、回答数の状況で、予定より前に終了することもあります。
株探ニュース