米国株式市場見通し:雇用統計やパウエルFRB講演に注目

市況
2024年3月30日 14時28分

来週は引き続き、連邦準備制度理事会(FRB)の利下げの時期やペースをにらむ展開が続きそうだ。FRBのパウエル議長がイベントで講演を予定しているほか、他のFRB高官がイベントや講演を予定しており、発言に注目だ。また、金融政策決定に重要な労働市場動向を見極めるうえで、2月JOLTS求人件数、3月ADP雇用統計、3月雇用統計に注目したい。雇用統計で失業率は3.9%と2月に続き22年1月以来の高水準を維持する見通し。雇用者数は20万人増と労働市場の減速が示される見込みとなっているものの、急速な利下げを必要とするような雇用の悪化は示されそうもない。

最近の強い経済やインフレ指標を受けて、利下げ先送り観測が相場の上値を抑制しているが、果たして、データでインフレが2%目標達成に向けて金融政策当局者が一段の確信を持てるかどうかに焦点を当てたい。パウエル議長は、最新の連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で、1月の強いインフレで季節的要因が影響しており、インフレ鈍化の基調は変わらず、年内のどこかで利下げを実施する見通しを示した。国内総生産(GDP)が上方修正されるなど景気が想定以上に底堅さを見せる中、議長が今回の講演でもハト派姿勢を再表明した場合は、相場支援材料になるだろう。一方で、ウォラー理事は今週、最近の強いインフレデータを受け、目標に向けたインフレの改善を巡り不明確になったと、懸念を表明しているほか、ボスティック総裁も利下げは「五分五分」としている。議長が逆にハト派姿勢を弱めると相場の重しになりそうだ。

ただ、月初に第2四半期入りで新規の資金が株式市場に流入する可能性は相場を支援するだろう。

経済指標では、3月製造業購買担当者景気指数(PMI)、3月ISM製造業景況指数(4月1日)、2月JOLTS求人件数、2月製造業受注(2日)、3月ADP雇用統計、3月サービス業PMI、3月ISM非製造業景況指数(3日)、前週分新規失業保険申請件数(4日)、3月雇用統計(5日)などが予定されている。

主要企業決算では、カルバンクラインなどの高級ブランドを運営する衣料メーカーのPVH(1日)、給与・人事関連アウトソーシング・ソリューションを提供するペイチェックス(2日)、ジーンズなどの衣料品メーカー、リーバイ・ストラウス(3日)、加工食品メーカーのコナグラ・ブランズ(4日)、などの発表が予定されている。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.