株価指数先物【寄り前】 4万円の攻防から+1σを狙う展開
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 39950 +80 (+0.20%)
TOPIX先物 2729.5 +5.0 (+0.18%)
シカゴ日経平均先物 39985 +115
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
1日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が下落した一方で、ナスダックは上昇。3月のISM製造業総合景況指数が前月比2.5ポイント上昇の50.3となり、市場予想(48.3程度)を上回った。活動の拡大と縮小の分かれ目である50を上回るのは2022年9月以来となる。この結果を受け、米連邦準備理事会(FRB)は利下げの時期を遅らせるとの見方が強まり、米長期金利の上昇が重荷となった。
今週は重要な経済指標の発表が相次ぐこともあり、模様眺めムードが強まるなか、景気敏感株を中心に利益確定の売りが広がった。一方で、マイクロン・テクノロジー<MU>がAI向けメモリー需要の拡大期待で5%を超す上昇となるなど、半導体株の一角が買われ、ナスダックは小幅に上昇した。S&P500業種別指数は、メディア、エネルギー、半導体・同製造装置が上昇した半面、不動産、耐久消費財・アパレル、運輸が下落。
シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比115円高の3万9985円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比70円高の3万9940円で始まり、一時4万0070円まで買われた。買い一巡後は3万9890円まで軟化し、米国市場の取引開始後に再び4万円を回復する場面も見られた。ただし、4万円処では戻り待ち狙いのショートが意識されてリバウンド基調は強まらず、中盤以降は3万9840円~3万9970円辺りで保ち合い、3万9950円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い先行で始まることになりそうだ。連休明けの米国市場は、製造業の改善を示す経済指標を受け、利下げ観測が後退したことが重荷となった。そのなかで半導体株の一角が堅調だったことは、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への支援材料になり、安心感につながるだろう。
昨日の日経225先物は買い先行で始まったが、寄り付き直後に付けた4万0760円を高値に下へのバイアスが強まり、ランチタイムで3万9700円まで売られた。その後は下げ渋ったが、結局は3月19日以来(ナイトセッションを含む)の4万円を割り込んで取引を終えた。これによりボリンジャーバンドの+1σを割り込み、25日移動平均線に接近する形となった。
25日線は3万9570円辺りに位置しており、引き続き同線が支持線として意識されることになろう。一方で、前日に割り込んだ+1σ(4万0290円)を抵抗線としたレンジでの推移が見込まれる。ただし、節目の4万円を割り込んだことで、押し目待ち狙いのロングが入りやすく、+1σ突破を試す展開もありそうだ。下値の堅さがみられる局面では、オプション権利行使価格の3万9875円から4万0375円のレンジを想定する。
VIX指数は13.65(28日は13.01)に上昇した。75日線(13.57)を上回って終えており、一時14.15まで切り上がり、25日線(13.75)を超える場面も見られた。依然としてボトム圏での推移ではあるものの、今週は経済指標の発表が相次ぐことから、投資家心理をやや神経質にさせそうである。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.63倍に上昇した。トヨタ自動車 <7203> [東証P]など輸出関連の下落インパクトによりTOPIX型が弱く、抵抗線として機能していた25日線を上回り、一時14.69倍まで上昇する場面も見られた。その後は25日線を挟んでの推移となったが、米半導体株の一角が買われた流れを受け、やや日経平均型優位の展開が見込まれる。また、膠着感の強い展開が続くようだと、ヘッジを考慮したスプレッド狙いの動きが入りやすくなりそうだ。
株探ニュース