【クラファン・優待】複数自治体で実証中 いちご自動収穫ロボットのアイナックシステム、4月7日募集開始

経済
2024年4月5日 10時41分

いちごの「自動収穫ロボット」を開発・販売する株式会社アイナックシステム(福岡県久留米市)が、株式投資型クラウドファンディング(普通株式型)による出資を募集します。申し込みは4月7日10時開始を予定しています。

・ 普通株式型
・ 目標募集額:1000万円、上限募集額:7000万円
・ 株主優待あり:福岡県産「あまおう」
・ みなし時価総額:2億8800万円
・ 類似上場企業:ジェノバ <5570> [東証G]、イーサポートリンク <2493> [東証S]、キーウェアソリューションズ <3799> [東証S]、ユニリタ <3800> [東証S]、大和コンピューター <3816> [東証S]
※「みなし時価総額」はミンカブ編集部が「発行済み株式数×募集株式の払込金額」により試算

実家のいちご栽培で農業の課題を実感

アイナックシステムの稲員重典代表は幼少期より、実家のいちご栽培を手伝う中で、農業現場の過酷さや非効率さを実感。農業の自動化によって現場が抱える課題を解決したいと考え、自動化システムを開発する技術者を目指して、機械制御エンジニアとしての経歴を積んできました。

これまで、半導体製造装置メーカーやシステム会社などで機械制御技術の開発を行いながら、営業や設計など幅広い業務を経験し、2008年に同社を創業しました。

同社は機械制御における高い技術力を生かして、FA(ファクトリーオートメーション=工場の自動化)システムと農業システムの2つの開発事業を展開しており、2023年度の売上高は約1.4億円を見込んでいます。

【FAシステム開発事業】

大規模物流設備の制御システムなど、多くのメーカーから工場自動化案件を受託しています。

【農業システム開発事業】

灌水(かんすい)制御システムや局所加温ヒーターなどの自社製品を開発・販売しています。

2022年、これらの技術を生かして、いちご自動収穫ロボット「ロボつみ」を開発。技術特許2件を取得しており、低コスト化を実現することで将来的な価格競争においても優位性を保てるとしています。

「ロボつみ」は一般的な農家などの既存の栽培方法だけでなく、植物工場などの新しい農業モデルにも応用できるといい、2022年3月、RX JAPAN主催「第5回関西農業Week」に試作機を出展しています。

【成長のための課題】

・現状60%ほどにとどまっている、いちご収穫精度の向上

・他作物や植物工場などにも対応した「ロボつみ」の開発

【解決方法】

・収穫期のいちごを適切に収穫するため、AIの研究開発を進め、画像処理の精度を高める

・収穫可能な他作物や植物工場へ対応するため、新たな技術開発者の採用を計画

いちご農家にのしかかる「後継者不足」「人手不足」

【タイトル】

(出典:FUNDINNO)

2020年の日本の農業人口は約136万人で、2010年の約6割まで減少。また、65歳以上が全体の約7割を占めるなど、後継者不足や高齢化による人手不足が深刻だと同社は考えています。

これらの課題は、いちご農家で特に顕著だといい、摘果や収穫、パック詰めなどの手作業は高齢者には重労働であり、また、人手不足により、本来5月末まで収穫できるにもかかわらず、4月末で収穫をやめてしまう農家も多いそうです。

「いちご農家が抱えるこうした現状に対し、複数の事業者が収穫ロボットを開発していますが、価格や性能面に課題が残っています」(同社)

既存の工場用ロボットを応用した製品は1台1000万円を超えるなど、原材料や燃料価格の高騰で経営が厳しい農家が簡単に手を出せる価格帯ではないといいます。

性能面についても「果実の熟成具合を正確に判断する」かつ「茎を短く切る」のは難しく、完全にクリアしている製品はほとんどないそうです。特にいちごは茎を長く切ってしまうと、収穫ボックス内で茎が他の果実を傷つけるため、「いちごの実に触れずに茎を短く切る」技術が必要不可欠だといいます。

「弊社はFAで培った技術を応用して自動収穫ロボットを開発し、農家を重労働から解放しつつ、収穫量を上げ、『儲かる農業』の実現に貢献したいと考えています」(同社)

市場の魅力・事業内容・ビジネスモデル・特徴

【タイトル】

(出典:FUNDINNO)

スマート農業の国内市場規模は2023年の約2631億円から、2030年に約6869億円に成長すると予測されているそうです。

また、農林水産省は2024年1月、国と自治体が一体となったスマート農業推進計画を発表。税制や金融面でサポートする体制が構築され、スマート農業の普及を目指して、全国69カ所で「スマート農業実証プロジェクト」がスタートしています。

「これによって、農家が収穫ロボットなどのICT機器を導入しやすくなる上、農作物の中で、高付加価値化したいちごは設備投資の投資回収がしやすいため、スマート農業化がさらに加速すると考えています」(同社)

同社の「ロボつみ」は現在、福岡県の特産品「あまおう」の収穫に特化しています。

「あまおう」に関しては、2025年に育成者権が切れることで、福岡県以外の地域での栽培・販売が可能になる「2025年問題」があり、2025年以降は誰もが育成できるため、同社にとっては潜在的なマーケットが急拡大する可能性があるそうです。

「あまおう」ブランドを守る上でも、福岡県でも、新技術を取り入れた栽培・収穫・パック詰め・出荷できる環境の構築が急務だといいます。

【タイトル】

(出典:FUNDINNO)

同社は、いちごの収穫を完全に自動化する「ロボつみ」を開発・販売しており、いちごの収穫期に発生する重労働を解決するため、これまで培ってきた技術力を生かして研究開発に取り組んでいます。

「ロボつみ」には、いちごの収穫タイミングを判断する画像処理AIや、実を傷つけないように茎をカットするロボットアーム制御システムが搭載されています。

いちごは他の農作物同様、多くの品種が栽培されており、実る高さや実の大きさ、収穫時の色合いもさまざまですが、通常、多くの品種をカバーするロボットはコスト高になってしまうそうです。

一方、「ロボつみ」は特許を取得した独自開発のアームや搬送装置などにより、「あまおう」だけでなく、他の品種にも対応可能。また、ハードウェアからシステムまで、一貫して自社開発しており、初期コストは他社製品の1/4以下で済むといいます。

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(出典:FUNDINNO)

「ロボつみ」は1台250万円で販売し、リモートでのメンテナンスにも対応しています(メンテナンス費用は月1万5000円)。

メインターゲットは個人の農家や農業法人ですが、近年は地方自治体の新規就農者向け「トレーニングファーム」も潜在顧客と捉えています。

販売経路は直販と代理店経由の2通りを予定。いずれも、受注生産体制を築くことで、在庫を抱えることなくコストを抑えられるといい、また、農家の規模拡大に応じて追加販売を提案していく計画です。

【タイトル】

(出典:FUNDINNO)

「ロボつみ」は、以下の2件の特許を取得しています。

・果実収穫ハンド

適切な熟成段階にあるいちごを自動判別し、実を傷つけずに茎を短く切除する技術

・搬送装置

農場内を自動走行する制御装置。低コストで開発でき、将来的な価格競争においても有効

「どちらも、FAの機械制御における高い技術力と、いちご農家というバックボーンを持つ弊社だからこそ実現可能な特許技術であると自負しています」(同社)

今後の成長に向けて

(1)2028年よりIPO準備開始

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(出典:FUNDINNO)

(2)短期計画

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(出典:FUNDINNO)

「ロボつみ」は2027年度に年間30台以上の販売を計画。営業戦略として、まずは自治体との実証実験を通して、各自治体の「補助金対象製品」登録を目指しています。

すでに複数の自治体と実証実験が進んでおり、「ロボつみ」が工数削減や収穫量増加に有効だと判断されれば、補助金対象として認定され、補助金が交付されれば、農家の費用負担が減り、販売数が増えると見込んでいます。

直販のアプローチ先として、まずは農業システム事業の既存顧客である約150軒の農家リストに提案していき、代理店販売については、全国各地の農家と関係性のあるメーカーや代理店と提携予定です。

「すでに、いちご栽培施設で全国的に評価の高いメーカーである福岡県の株式会社アグリスと提携しており、同県における盤石な販売体制を整えつつあります」(同社)

(3)中長期計画

いちごの植物工場を手がけるアイファーム株式会社(FUNDINNOで約2000万円調達)と協業し、植物工場での「ロボつみ」の稼働を検討しています。

また、「ロボつみ」は現在、いちごに特化していますが、中長期的には、きゅうりやトマトなど他作物にも対応できるよう製品開発を続ける予定です。

「弊社のFAにおける知見や機械制御技術を生かして、全自動のビニールハウス農業システムの実現も視野に入れています」(同社)

(4)2031年に「ロボつみ」600台の販売を計画

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(出典:FUNDINNO)

類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)

・ジェノバ <5570> [東証G]

・イーサポートリンク <2493> [東証S]

・キーウェアソリューションズ <3799> [東証S]

・ユニリタ <3800> [東証S]

・大和コンピューター <3816> [東証S]

株主優待

【基準日】

毎年6月末日

【優待内容】

・1~999株:福岡県産「あまおう」1パック

・1,000株以上:同2パック

※発送日は翌年1~3月の間。

【申し込み方法】

基準日経過後、メールで申し込みの案内をする。

【注意事項】

・1人、1年に1回限りの優待。

・優待内容は来期(2025年4月期)の内容。

・優待内容は変更や廃止になる場合がある。

発行者・募集情報

■募集株式の発行者の商号及び住所、資本金等

株式会社アイナックシステム

福岡県久留米市東合川四丁目1-1-101号

資本金:3,000,000円(2024年3月29日現在)

発行済株式総数:60株(同)

発行可能株式総数:1,000株

設立日:2011年5月2日

決算日:4月30日

※2024年3月11日を効力発生日として、1株を12,000株とする株式分割に伴う発行済株式総数、発行可能株式総数の変更を実施しており、登記申請中。登記完了後の発行済株式総数は720,000株、発行可能株式総数は10,000,000株となる。

■募集株式の発行者の代表者

代表取締役 稲員重典

■募集株式の種類及び数(上限)

普通株式 175,000株

■募集株式の払込金額

1株あたり 400円

■資金使途

・目標募集額達成時の資金使途内訳

調達額1,000万円を以下の目的に充てる予定。

外注費 300万円

開発費 300万円

広告宣伝費 180万円

手数料 220万円

・上限募集額達成時の資金使途内訳

上記に追加し、調達額6,000万円(目標募集額1,000万円と上限募集額7,000万円との差額)を以下の目的に充てる予定。

人件費 3,880万円

開発費 480万円

広告宣伝費 320万円

手数料 1,320万円

■投資金額のコース及び株数

100,000円コース(250株)

200,000円コース(500株)

300,000円コース(750株)

400,000円コース(1,000株)

500,000円コース(1,250株)

1,000,000円コース(2,500株)

2,000,000円コース(5,000株)

3,000,000円コース(7,500株)

4,000,000円コース(10,000株)

5,000,000円コース(12,500株)

10,000,000円コース(25,000株)

※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、500,000円コース(1,250株)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、10,000,000円コース(25,000株)を上限とする。

■申込期間

2024年4月7日~4月19日

■目標募集額

10,000,000円(上限募集額 70,000,000円)

※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は56,000,000円とする。

■払込期日

2024年5月16日

■連絡先

株式会社アイナックシステム

電話番号:0942-48-0451

メールアドレス:management@inaksystem.co.jp

※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。

〈複数の自治体で実証中〉スマート工場の先進技術を応用したAI収穫ロボットに反響多数。価格優位性で日本の農業を完全自動化へ「アイナックシステム」

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