伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 4月7日版
日経平均は週明け後の展開次第で、4月末までの動き方が見えてくる
1.日経平均は3万8774円を割ると、6114円幅の調整へ入っていることを示す
図1は、 日経平均株価の日足と今後の展開です。日経平均株価は、昨年10月4日以降の上昇が終了すると、2021年9月14日高値の3万0795円から2022年3月9日安値の2万4681円までと同程度の値幅(6114円幅)の調整場面へ入ると考えられます。
図1 日経平均株価(日足)と目先のシナリオ
6114円幅の調整へ入っているという判断の基準は、昨年10月4日以降の上昇の流れが終了したとわかる値動き、1~5波の一連の上昇パターン(1波の上昇、2波の調整、3波の上昇、2波と同程度の値幅の4波の調整、5波の上昇)が終了したと分かる値動きになります。
具体的には、2波、4波と推測できる2つの調整が表れて、その後、2波、4波以上の値幅の調整が表れると、全体の上昇が終了したと判断できます。
昨年10月4日以降の上昇局面の中の2波は、10月13日~12月8日までのジグザグの動きです。
2波の調整の値幅は、10月13日高値の3万2533円から30日安値の3万0538円までの値幅(1995円幅)になります。
2024年3月7日高値の4万0472円から12日安値の3万8271円までの下げ(2201円幅)は、2波と同程度の下げ幅となって押し目をつけた動きになるので、この下げが4波だと推測できます。
その後、3月22日高値の4万1087円が戻り高値になって下降を開始したことで、4万1087円が5波の終点になって、現在が6114円幅の調整場面へ入っている可能性があります。
ただ、現時点では2023年10月13日~12月8日までの上値、下値を切り上げるジグザグの動きを2波と見ているように、4波も上値、下値を切り上げるジグザグの動きになる可能性を考えておく必要があります。
3月22日高値4万1087円から4月5日安値の3万8774円までの下げ幅は2313円幅となっていて、2201円幅よりも若干大きくなっていますが、まだ許容範囲と見ることができます。
前週末にNYダウが反発したことで、日経225先物のナイトセッションは3万9300円で引けています。週明け後の日経平均株価は寄り付き値が上放れて始まる公算です。
週明けの寄り付き値での上放れは、4月5日安値の3万8774円が4波の終点となって、目先、5波の上昇(4万1087円を超える動き)を開始する可能性を残す動きになります。
今後の展開は、3万8774円が4波の終点となって、押し目を確認する作業を経過して上昇を開始するか、週明け後の反発が一時的な動きで終わり、すぐに下降を開始するかによって見えてくることになります。
反発が一時的な動きで終わる場合、反発幅の目安には3月26日~27日(699円幅)、3月28日~4月1日(643円幅)、4月3日~4月4日(1026円幅)などが挙げられます。
目先は、3万9500円から4万円の範囲で上値を抑えられると考えられます。