株価指数先物【引け後】 植田日銀総裁の発言がロングを誘う形に

市況
2024年4月9日 18時29分

大阪6月限

日経225先物 39790 +400 (+1.01%)

TOPIX先物 2758.0 +26.0 (+0.95%)

日経225先物(6月限)は前日比400円高の3万9790円で取引を終了。寄り付きは3万9520円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万9450円)を上回る形で、買い先行で始まった。現物の寄り付き直後には3万9670円まで買われ、25日移動平均線(3万9600円)を上回る場面も見られた。ただし、同水準をキープできず、前場中盤にかけては寄り付き水準まで軟化し、前場終盤にかけて再び3万9670円を付けたものの、これも跳ね返される形となり、前引け直後には3万9480円まで上げ幅を縮めた。それでも散発的な買いからランチタイムで緩やかなリバウンドを見せるなか、後場の取引開始後ほどなくして上値を抑えられていた3万9670円を突破。終盤にかけて上げ幅を広げ、一時3万9820円まで買われる場面も見られた。

日経225先物は、オプション権利行使価格の3万9500円近辺での底堅さは見られた一方で、25日線水準が抵抗線として意識されていたが、後場は25日線を上回っての推移となるなか、ロングに加えて短期筋のショートカバーも入ったようである。きっかけとなったのが、日銀の植田和男総裁の参院財政金融委員会での発言であった。今後の金融政策運営について、「緩和的な金融環境が継続する」との従来の主張を繰り返したことが材料視されたようであり、ロングを誘う形になった。

また、台湾市場では、米政府が最大66億ドルの補助金を支給すると発表した台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>が終日強含みの展開となり、最終的には4%を超える上昇だった。これが東京エレクトロン <8035> [東証P]など、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への支援材料になった。

日経225先物は、25日線を支持線に変えてくるかが注目されるだろう。同線での底堅さが意識されてくるようだと、ボリンジャーバンドの+1σ(4万0290円)とのレンジに移行してくる。10日に発表される3月の米消費者物価指数(CPI)の結果を見極めたいとの模様眺めムードから手掛けづらさはあるだろうが、市場では米連邦準備理事会(FRB)による年内3回の利下げ期待が後退しており、2回の利下げを織り込み始めている。

前週末の米雇用統計発表後のように、アク抜け的な動きも意識されやすく、ショートカバーが入りやすいと考えられる。そのため、上値追いは慎重ながらも、25日線水準では押し目狙いのロング対応になりそうだ。また、ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイ<BRK>は、グローバル市場での円債発行を計画していると報じられた。日本への投資を増やすとの見方から、大手商社株には思惑買いが向かっており、ショートを仕掛けづらくさせよう。

なお、NT倍率は先物中心限月で14.42倍(前日は14.41倍)だった。一時14.47倍に上昇する場面も見られたが、結局は前日同様、75日線(14.41倍)を支持線とした小動きだった。テクニカル面では一目均衡表の雲下限が14.37倍辺りで推移しており、これを割り込んでくるようだと、NTショートでのスプレッド狙いの動きが強まりやすくなりそうだ。

手口面(立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万1952枚、ソシエテジェネラル証券が1万0272枚、サスケハナ・ホンコンが3678枚、SBI証券が2191枚、JPモルガン証券が1720枚、バークレイズ証券が1609枚、野村証券が1304枚、日産証券が1219枚、ビーオブエー証券が1171枚、ゴールドマン証券が960枚だった。

TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万9971枚、ソシエテジェネラル証券が1万2182枚、バークレイズ証券が3772枚、モルガンMUFG証券が3388枚、JPモルガン証券が3323枚、ビーオブエー証券が2037枚、ゴールドマン証券が2033枚、サスケハナ・ホンコンが1890枚、野村証券が1881枚、BNPパリバ証券が1584枚だった。

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