東京株式(大引け)=191円安、米CPI発表を控え持ち高調整の売り
10日の東京株式市場は模様眺めムードのなか日経平均株価は下値を試す展開となった。ただ、押し目買いも観測され下げ幅は限定的なものにとどまっている。
大引けの日経平均株価は前営業日比191円32銭安の3万9581円81銭と3日ぶり反落。プライム市場の売買高概算は14億6306万株、売買代金概算は3兆8033億円。値上がり銘柄数は841、対して値下がり銘柄数は754、変わらずは57銘柄だった。
きょうの東京市場は朝方から売りが先行し、日経平均は終始前日終値を下回る水準で推移した。前日の米国株市場では3月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え様子見の地合いとなり、NYダウがわずかながら続落となった一方、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続伸するなど高安まちまちだった。これを受けて東京市場でも積極的な買いは見送られ、足もと持ち高調整の売りが優勢となった。米長期金利が上昇一服していることはポジティブ材料ながら、外国為替市場では円安にも歯止めがかかっており、中東での地政学リスクも意識されるなか、主力ハイテク株の方向性が定まりにくかった。売買代金は3兆8000億円台と前日に続き4兆円台を下回った。ただ、値上がり銘柄数が値下がりを上回っており、個別株の物色意欲は失われていない。
個別では、ディスコ<6146>が利益確定売りで値を下げたほか、アドバンテスト<6857>も安い。ファーストリテイリング<9983>も売りに押された。三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンクが冴えず、三菱重工業<7011>も軟調。三井物産<8031>など総合商社も下値を探った。パルグループホールディングス<2726>が急落、リソー教育<4714>も大幅安、イオンフィナンシャルサービス<8570>も大きく水準を切り下げた。IHI<7013>の下げも目立つ。
半面、売買代金トップのレーザーテック<6920>が高く、東京エレクトロン<8035>もしっかり。東京電力ホールディングス<9501>が商いを膨らませ上昇。北海道電力<9509>も値を飛ばした。オリエンタルランド<4661>が堅調。さくらインターネット<3778>が商いを膨らませストップ高に買われる人気となった。C&Fロジホールディングス<9099>が大幅高となり、きんでん<1944>の上げも目立つ。東邦亜鉛<5707>も上値を追った。